2011年12月17日 (土)

エボ6の詳報(12月16日)

帰国後、ありがたいことに取材や原稿がたくさんあったため、TOPを更新できませんでした。コースアウトすることなく本日の夕方、全て終了。ラリーのためジム通いしていたおかげか、何とか体力だけで乗り切れた感じ。帰宅すると小沢さんからラリー車の所見についてメールが届いていた。

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ランサーエボ6の所見で、気が付いた点をお伝えします。

・フロントロアアーム左右2~3ミリ後ろに下がっておりました。おそらくこの原因はクロスメンバーの曲りが原因であると思われます。

・フロント周りのボールジョイントにつきましては、ほぼ全てにおいて不具合が見られました。

・タイロットにつきましては、左右とも弓なりの状態でした。調整するたびにほぼ2度ほどプラスマイナスになりました。

・ドライブシャフトは油漏れし、曲り、4本ともいつ折れてもおかしくない状態でした。

・フロント右ハブとリア左ハブは不具合とハブの曲りがひどい状態でした。

・駆動系に関しましては、フロントLSDがイニシャル5~6キロ程度でした。センターデフは駆動が掛かっていない状態でした。

・リアデフにはLSDは入っておらず、ノーマルの状態でした。

・ブレーキに関しましては、フロントの右、リアの右後ろが固着しておりました。

・サイドブレーキのライニングは1ミリ程度しかありませんでした。ラリー中、もう少し効かせられないということでしたが、不可能でした。

・タイミングベルトは、ピンホールが空いた状態であまり良い状態ではありませんでした。いつ切れてもおかしくない状態でした。

・スパークプラグは10番が入っておりました(通常は8番くらいがベストです。)

・ミッションのジョイント部分は、全体的に油漏れがあり、リアデフに関しましても同じ状態でした。

・ラックのブーツは装着されておりませんでした。

・私も今までいろいろな車両に携わってきましたが、この車両のショックアブソーバーにつきましては、どうしても理解できません。

他にも気づいた点は沢山ありますが、書ききれませんのでこのくらいにしておきます。

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ここまでくると笑うのみ。おそらく転倒によるダメージを修復し、次のラリーに使うか、誰かにレンタルするか、売却するんだと思う。その際「最後の二つのSSのタイムを引き合いに出し、戦闘能力は高いといった評価を下すんでしょうね」。もちろんタイ人に悪意など存在しない。心から速いと思っているのだ。

ただし間違いなく壊れる寸前の状態。というか、いつ壊れてもおかしくなかった。ラリー中、ブレーキはイッキに踏まずジンワリと。大きなギャップを避け、さらにいつ何が壊れても対応出来るよう、マージンを残してましたから。このままの状態でラリーに出れば100%壊れるに違いない。

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ちなみに修理代は「見積もりを取ってから」と提案されたけれど、1秒でも早く忘れたいので、その場決済を希望した。石井さんやイテポンさんは「3万バーツで十分でしょう」(タイの貨幣感覚だと日本円の30万円相当)。ウドンサックさんは「9万バーツ欲しい」。これには皆から「そんなに掛からないでしょう」。

結局中間を取って6万バーツになった。タイの貨幣感覚で60万円。実質的な為替レートだと15万6千円。まぁそんなモンでしょう。その場で支払う。今回は急遽出場することになったこともあり、日本側で準備できたのはタイヤとブレーキパッドのみ。いろんな意味で修行の連続になりましたね。

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2011年12月15日 (木)

タイ終わり(その5)

同じラリーに出場していたムスコはどうなったか? ヤツにとっちゃ4年ぶりである。ペースノートの作り方もウロ覚えだったろう。ちなみにコ・ドラはイテポンさん。昨年のチャンピオンだからして、今やタイNo1のコ・ドラだと評価されているそうな。アジアンラリーじゃ青木拓磨選手の隣に乗ってます。

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4年前のラリーのコ・ドラもイテポンさん

シェイクダウンの前に「お前は久々のラリーなんだから無理すんな。シェイクダウンで壊そうモノなら競技する資格無し! 特に終盤の左コーナーの内側に乗ったら一発でコケるからな」と説教してやった。その10分後にコケてるオタンコがいるんだからシクシクだ。ただ転倒を間近に見て「オレはコケない」と思った?

ちなみにヤツは自分が乗るラリー車をシェイクダウン会場で始めて見た。例によって遅れて届いたのだ。この時点で判明したのが「おおぅ! ラリー車じゃなかったのね!」。レース仕様車にアンダーガードを組んだだけ、という恐ろしいスペック。車高低く、足もガッチガチに硬い。

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小沢さん曰く「リアなんかストロークしてないね」

しかし! 意外や意外! ラリーが始まってみたらSS1でFFクラストップと3秒差の3位! エンジンは全て200馬力程度。ライバルの車重が1トン少々しかないことを考えれば上出来だ(シビックは1190kg)。荒れた路面ではハネて何度もコースアウトしそうになったというけれど、初日を走りきってしまった。

最終SSでTOPを走っていた旧型シビックがコースから転落。クラス2位だって(FFクラスは初日がタイ選手権4戦。2日目5戦)。2日目もリタイアしたチームが再出走する中、トラブル無しにフィニッシュ。3位となった。ラリーの出場回数からすれば誉めてやれる成績である。ワタシより他の人達から誉められてましたけど。

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これからはラリーも2輪駆動

ムスコのサービスをやってくれたのは加納さんという在タイの日本人なのだけれど、とても良く面倒を見てくれた。こういう人と長く付き合ったらいい。今回のラリーのSS距離は218km。北海道を除く全日本ラリーなら3~4戦分に相当する。いい経験になったと思う。来シーズンは日本でラリーに出てみなさい。

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中央が加納さん

ということでタイのラリーは無事終了しました。今回一つだけ「そうだったのね」と理解出来たことがある。第二次世界大戦中、日本軍は様々な場所で物資補給なく戦った。戦記を見ると明確に二つに分かれます。最も多いのが、物資無く戦わされたことに対する不満。こらもう今回の経験をしなくたって理解できること。

けれど稀に「苦境を語りつつも、オレ達は頑張った」という戦記に出会うのだ。物資不足の中で様々な工夫をこらし、終戦まで戦っている(もちろん途中で戦死された方の方が多いだろう)。こういった人達の戦記は「大変だったでしょう」と慰められるより「よく頑張った!」と言って欲しいと書いてある。100%理解できる。

不思議なことにベストを尽くせば達成感みたいなものが湧きだしてくる。私自身、そういった感覚を持てたことが不思議だった。同じ意志を持った仲間と一緒なら一層頑張れます。ラリー終わってタイの田舎を出発する際、なぜか「さ~ら~ばラバウルよ。また来るまぁでぇは~」という『ラバウル小唄』を口ずさんでました。

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2011年12月14日 (水)

予想出来なかった結末(その4)

小沢整備班長も国沢搭乗員も戦っているが、木原搭乗員だって同じ! 普通ならペースノートを読むだけで精一杯だ。加えて木原さんクラスになると、直線が長ければコーナーまでのカウントダウンを正確に行ってくれる。しかし! 今回はスピードメーターからの信号が入ってこない。速度計とナビ計器、動かないのだ。

そこで急遽ガーミン製PNDのGPSの機能の一つである距離計を使ってカウントダウンしているのだけれど、左右だけでなく上下に激しく揺れる車内で小さいGPSの液晶画面を操作しなければならないハメに。それだけで一杯一杯だろう。なのに今日から新たな仕事が加わった。右手使って2速ギアの保持です。

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木原さん激闘中

昨晩の打ち合わせの際「やってみましょうか」というのでお願いした次第。100個以上のタイトコーナー全て2速ギアというSS11の後半で試したところ、予想以上にウマく行く! 木原さんが2速を保持してくれていれば、私はサイドブレーキ引いてコーナーに飛び込んでいけます。成果はハッキリとタイムに出た。

終盤試したSS11はTOPから1分12秒も離された。なのに同じコースを走るSS14じゃ40秒差に縮まったから笑える。木原さんが32秒稼いだワケ。というか普通なら2速を保持しなくていい。これでアブガスでアンチラグ付いて、しかも4WDだったら‥‥。いかんいかん。そんなこと考えても良い方向にはなりません。

サービスに戻るとさらなる衝撃が待っていた。今回のランエボは『プロフレックス』という120万円以上するショックアブソーバー付きということだった。小沢さんがリザーバータンクに触ってみたところ、本来ならチンチンに熱くなっているのに人肌だという。機能してない。小沢さん、目を丸くして驚いていた。だからハネるのね。

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そもそも車高が左右で違ってきてしまっている

何から何までシビれる。それでもラリーは続く。搭乗員は今や「どっからでもこい!」になってる。舗装が12kmくらい混ざっているSS15なんかノッキングを感知すべく全身これ耳になってジンワリとアクセル踏んでいく。そしたらTOPの2秒遅れだって! ホントかね? 満身創痍の愛機が頼もしい。

●SS15(15.00km)
1位 No.3グリーン選手      9分09秒
2位 No.1ウィッタヤ選手     9分11秒
2位 No.2国沢選手        9分11秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  10分20秒

そして最後のSS。ウィッタヤ選手は7分6秒と最後までアタックしている(同じコースを使うSS13のTOPはグリーンさんで7分14秒)。グリーンさんだってタイムアップ。そして我がミツビシも搭乗員の気持ちに応えてくれたんだろう。壊れずゴール! オマケに望外の速さ! どうなってるんだ?

●SS16(10.76km)
1位 No.1ウィッタヤ選手    7分06秒
2位 No.3グリーン選手     7分13秒
3位 No.2国沢選手       7分16秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  7分51秒

辛くもフィニッシュ! いやいや信じられません。いろんな人から「よく走りきった!」と言われる。誰も完走できると考えていなかったらしい。搭乗員だってそう考えてましたから。たくさんのラリーを見てきているマリー・ブラウンさんやシモ・ランピネンさんからまで「ラリーの面白さを思い出したよ!」。

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ナビ計器の覆いは紙製

こうなるとみんなから「けっこう良いクルマだったんじゃないの?」となるのが常。小沢さんにだけは乗って貰いクルマのコンディションを知って欲しかった。これこそ何とか完走したかった最大の理由だったりして。壊れちゃったら乗れないのですから。どうだったか。降りて来るなり「もうダメ。どこが壊れてもおかしくない状態」。

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ミラーは手鏡

どうやら全て紙一重で持っている状況らしい。足回りは全てガタが出ており、サスペンションも抜けている状態。「よく帰ってこられたモンです。最初から航空燃料使ってハイペースで走ったら持たなかったかもしれませんね。こんなラリーは2度としなくないけれど、とっても楽しかったです」。小沢さんにそう言って貰えば本望です。

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イタズラ好きの神様が今回のラリー修行を支えてくれたくさんの人の気持ちに応えてくれたのかもしれません。

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2011年12月13日 (火)

ターマックは大好物(その3)

私はターマック(舗装)が大好物だ。今回のラリー、キングスカップでは初めてのターマックステージがある。1日目は長い25km×3本なのでトータル75km。。2日目も実質的に12kmくらいのターマックを含む15kmステージ2本といった具合。タイに来る前はこの5本をブッチギるつもりだった。

なんたってデビューラリーの日本アルペンラリーは始めて作ったペースノートだったのに、SS2でグループNの3位。加えて今回コーナリングスピードが遅いグラベルタイヤを使う。芸術的かつクレバーに走らなければ絶対タイムなんか出ない。実際、1日目の1本目はグリーンさんの28秒差。平均速度で2,75km/h遅れ。

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ターマック大好き!          (写真 木村さん)

一方、クルマの差ときたら超デカイ。なんたってノッキング音を探りながらアクセル踏んでる状態。少しアクセルを踏んだ2回目はエンジン壊れるまで相当良かったと思う。3回目なんか「次にトラブル出たらオシマイ」の状況でタイムアップし、TOPに平均速度2km/h差の20秒遅れでございました。

確かに高速ステージのため150km/h以上の高速コーナーが多く、それでいて滑りやすい中速コーナーもあるというトリッキーなコース。本日行われた3つのターマックステージで3台がコースアウトするなどしてリタイア。ムスコも「怖かった」。ぜひともこのSSを全開で走りたかった! 今回のラリー最大の「悔しい!」です。

サーキットで言えば、本来なら7千回転回せるクルマの4千回転シフトといった具合。いや、アクセル全開に出来ないため、それ以上に厳しい。こらもうロードスター耐久レースの時の燃料節約モードよりタイム出せません。しかし! 日本から持って行ったタイヤとブレーキが素晴らしい仕事をしてくれている。

昨年私がタイで速かったのはヨコハマだから、と思われているらしく、今やアジア地域でお金があるドライバーの人気No1になっている。グリーンさんもヨコハマだ。そしてブレーキは「タフでコントーラブル」な『BRIG』。これまたグリーンさんも使ってたりして。出発前に最も不安だったブレーキが一番好調なんだから凄い!

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私はA035。グリーンさんA053

ということで1日目を走り切ってしまいました。しかもベタ押さえでなく、最後の3つのSSは全てタイムアップし。1位とのタイム差を縮め、後続を引き離している。サービスに戻ったらシモ・ランピネンさんや、アジパシの親分であるマリー・ブラウンさんが「良く頑張ったね!」。厳しい小沢さんまで「タイしたもんだ」。

小沢さん、1日目どころかSSを一つか二つ走ったくらいでドコかが壊れると考えていたらしい。とにかく生き延びた。いや”戦闘機乗り”にとって、それ以上に嬉しいのは、まだ戦えていること。敵の姿を見て逃げ回るようなら存在してる価値がない。ということを理解してくれているから小沢さんも頑張ってくれているんだと思う。

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明日も出撃だ! こうなれば意地でも生き残ってやる! (写真 木村さん)

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2011年12月12日 (月)

1%の幸運(その2)

モハヤコレマデ気分でバックミラー見ると、白煙は出ていない。パワー無く、排気音もおかしいけれどエンジンからの異音無し。水温計正常。とりあえずSSを続行。おそらく1気筒死んでる感じ。もちろんヘロヘロの加速である。最高速だって100km/hくらいしか出ない。何とかゴールし、サービスに向かう。

原因を考えるも、今までの経験からだと推測出来ず。少なくともエンジン内部は壊れていない。唯一の希望が点火系のトラブルだ。とはいえ直せる可能性としちゃ1%にも満たない。何たってスペアパーツが一切ないのだから。もちろん3気筒で走るというチョイスもありますが。私と木原コ・ドラは「これで終わりましたね」。

サービスに戻ると小沢整備班長も原因が解らないという。とりあえずヘッドカバーを開けてタイミングベルトをチェックするとコマ飛び無し。続いてプラグをチェックしてみよう、ということになり外してみたら「4番シリンダーのプラグのクリアランスが無くなってる!」。しかし! 交換するにもプラグがない。

どうしよう、と困った途端、小沢整備班長はサービスパーク全体を見渡す。次の瞬間、敵基地に向かい全力疾走で突撃! 30秒後、なにやら持って飛び出してきた! 何と! 新品プラグを4本持ってきた! 一瞬で部品がありそうなチームを嗅ぎ分けたということか? 凄い! 凄過ぎるぞ!

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ウィッタヤ基地に突入! 部品を強奪してきた

南国整備班は獅子奮迅のイキオイでプラグ交換し、外したヘッドカバーを装着! その間、搭乗員も飛び乗り、30秒前にキーを捻ると「ヴォロンヴォロン」というモーテックを付けたランエボ特有のエンジン音が響く。急いでサービスアウト。ギリギリでペナルティを喰わずに済んだ。しかもエンジンはキチンと回ってる。

おそらくターマックステージで軽いディトネーションを連続して続けたためシリンダーヘッド内の温度(特にプラグ近辺)が上昇。爆発エネルギーでプラグの金属棒が押されたんだろう。もちろんダメージはそれだけじゃないと思う。病気で言えば「発作は抑えたけれど、次がありませんよ」というイメージか。

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グリーン基地も装備豊富! クルマ完璧!

ということで出撃を続けることが出来ることになった。こうなると万全の体制持つ2機の敵戦闘機をやっつけることは難しい。となれば防衛任務だ。戦闘機乗りとしちゃ(ガンダムで言えば満身創痍のシャアザクか)、格下にやっつけられた時点で存在の意味無し。完走狙いなんてセコいことは出来ません。

小沢整備班長の「エンジンだけじゃなく、全てがいつ壊れてもおかしくない状態ですよ」。こいつを噛み締めて本日最後のSS(残るは3つ。距離46km)に向かう。とはいえ戦いの場に出たら、精一杯頑張らなくちゃならぬ。アクセル踏めない分、コーナーや危険な場所を高い速度で走るしかない! 

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小沢整備班長ごめん!

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2011年12月11日 (日)

トラブルのデパート(レグ1)

いよいよラリー本番である。残念ながら昨日の状況から全く進歩しておらず。昨晩、南洋基地を担当するウドンサック司令に「粗悪ガソリンしかないので航空燃料を手配して欲しい」と頼んだら「手配する」。しかし! 朝「何時に届くか?」と聞いたら「航空燃料は難しい」。どひゃ~。91オクタンで戦えって?

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いよいよラリー開始

まさしくラバウル基地の飛行機乗りの気分になってきた。サービスまでのリエゾン(移動)でディトネーション(異常燃焼)起こすアクセル開度をチェックすると、70%くらい。音でコントロール出来ればいいのだろうが、グラベルを走ってる時はノッキング音なんか聞こえないと思う。ブースト圧計も無し。

小沢整備班長に「ブースト圧を下げられませんか?」と聞いたら「何もないので出来ない」。整備部隊も辛いのだ。やっぱりラバウル基地の整備部隊は同じ心境だったことだろう。アクセル全開にしたら間違いなく壊れる。結局、リストリクターが32径でも33径でも同じことでしたね。しくしく。

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ボルト&ナット類も全て使い古し

いずれにしろ撃墜されるまで戦うしかあるまい。ということで迎えたSS2(昨日にSS1を行った)。ディトネーションしないよう、アクセル開度4千回転でシフトアップ。5速ギアはジワジワ踏んでいく。全く遅い! イライラするほど遅い! これだけパワー無いと、4WDじゃなくたって全く問題ないかも。

ところが、でございます。上位陣より1kmあたり5秒は遅いかと思いきや、以下のような状況。アクセルさえ踏めれば満身創痍のランエボでも十分戦えそうだ。しかもランエボ、イメージしていたより圧倒的に乗りやすかった。ボディの大きさを感じさせないのだ。活きの良いランエボなら楽勝かと。

●SS2(7.26km、グラベル)
1位 No.3グリーン選手     5分00秒
2位 No.1ウィッタヤ選手    5分11秒
3位 No.2国沢選手       5分15秒
4位 No.4のタイ人ドライバー  5分58秒
5位 No.5のタイ人ドライバー  6分07秒

SS3は滑りやすいコーナー&立ち上がりの連続なので、リアLSD無くアンチラグ無く、そもそもアクセル全開に出来ない我が愛機だと手も足も出ない。加えてほとんど2速ギアだし、サイドブレーキもたくさん使う。同時に2速ギアを手で押さえつつサイド引くなんて出来んぞなもし。ハンドルは右手だけで操作する。

●SS3(13.55km、グラベル)
1位 No.3グリーン選手     12分56秒
2位 No.1ウィッタヤ選手    13分03秒
3位 No.2国沢選手       13分44秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  14分23秒
5位 No.4のタイ人ドライバー  15分05秒

●SS4(24.78km、ターマック)
1位 No.3グリーン選手     15分39秒
2位 No.1ウィッタヤ選手    16分01秒
3位 No.2国沢選手       16分07秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  17分08秒
5位 No.4のタイ人ドライバー  18分24秒

驚いたのが高速ターマックのSS4。全く踏めていないのに、終わってみたらウィッタヤ選手の6秒遅れ。こうなってくると周囲の目も変わってくる。「国沢のクルマ、悪くないんぢゃないの?」。競技なんてそんなもの。遅ければウデのせい。速いとクルマがイイ、となるのだ。ここでスケベ根性出てくる。「も少し踏んだろうか」と。

●SS5(7.26km。SS2の再走)
1位 No.3グリーン選手     4分56秒
2位 No.1ウィッタヤ選手    4分57秒
3位 No.2国沢選手       5分10秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  5分39秒
5位 No.4のタイ人ドライバー  6分10秒

●SS6(13.55km、グラベル)
1位 No.1ウィッタヤ選手    12分54秒
2位 No.3グリーン選手     12分56秒
3位 No.2国沢選手       13分26秒
4位 No.5のタイ人ドライバー  14分15秒

※No.4のドライバーはリタイアした模様

SS3の再走となるSS6なんかアクセルを5%くらい多く踏んでみたら20秒も速くなった。一段とスケベ根性デカくなる。だったら得意のターマックのSS7(SS4の再走)でトップタイム出してやろうぢゃないの! ターマックはノッキングが聞こえるため、ギリギリ探りながら攻めていく。

よっしゃSS4より大幅に速いぞ、と思った途端「バラバラバラ‥‥」。エンジン音が変わり、イッキにパワーダウン。壊れましたね。ついに被弾してしまった。中間地点くらいでトラブル発生したためタイムは出ず。そもそも最高速が100km/hくらいしか出なくなった。木原さんと「終わりましたね」。

続く。

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2011年12月10日 (土)

本日も超荒行なり(12月9日)

とりあえずクルマは何とか修理完了。フロントガラスを入れ替え、曲がったトコロを大雑把に板金。車検も無事クリア。一つだけ明るいニュースが。何と車重1340kgしかありませんでした。私のインプレッサは歴代1500kg越え。それからすれば10%も軽い。これでLSD付いてエンジン良ければなぁ~。

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リアとセンターのLSDだけでなくアンチラグ無し。むしろターボラグ、極めて大。リストクリターで30馬力差。そいつの1つ分くらいをカバー出来るという程度です。ちなみにリアには今回タニマチ&タイの洪水寄付をして頂いたリストを。同じモノをプレートにし、後述の通り厚生労働大臣に手渡しました。

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驚いたことに寄付金の贈呈式はセレモニアルスタートのど真ん中。下は地元の病院でございます。私の右側にいるのが厚生労働大臣。一人置いてピンクのシャツの人はサラブリの県知事さんです。手前側にはTVカメラやカメラを構えたメディアがズラり。石井さんの「思いっきりやったらいいですよ」の通りにしました。

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今回援助頂いた人の名前を全て記したプレートを大恩寺の御住職が大臣に渡す。この手のセレモニー、タイでは「格」を合わせないとならない。お坊さんなら大臣と同等でございます。お坊さんは超尊敬されている。日本から来たお坊さんなので近くに居た人なんかバリバリに緊張してました。

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ということで贈呈式は想像をはるかに超える内容になった。これでタイの人達が少しでも元気になってくれたら嬉しい。ということでここからはラリーだ。ムスコのシビックはこんな感じ。「頑張ろうタイ。がんばろう日本。頑張りますホンダ」と日本語とタイ語で書いてある。サラブリ県知事大喜びで握手。

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私はシンプルに「タイ頑張れ!」。これまた皆さんから高く評価してもらいました。ただラリーは早くも厳し過ぎる修行になり始めている。やはり素性の解らないクルマだけに、どうしようもありません。何度も書くけれど、これなら重くてノーマルエンジン積む自分のインプレッサの方が圧倒的に速い。

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SS1のタイムを見たら、3分24秒。昨年は常にイーブンだったウィッタヤ選手に8秒も引き離された。皆さんから「パワーの無いFFなんだから仕方ない」と言われたけれど、グリーンのジイさんに3秒も負けたのでショック極めて大。こうなれば粘るしかありません。意外だったのがムスコ。TOPと3秒差のクラス3位。

さらに大きな問題点出てきた。横G掛かっている状態だと、2速が抜けてしまう。3回目まではシフトミスかと思っていたのだけれど、4回目に「やっぱり抜けてる!」。そこから2速の位置に手を押さえて走らなければなりませんでした。サイド引けない。加えて高オクタンの燃料も無いことが発覚。

試しにリエゾンでチェックしてみたら、ブースト圧上がると「カリカリカリ」というディトネーションを起こしている。このままじゃ間違いなく壊れるぞ! 明日の午前中は遅いエンジンで、さらにブースト圧を下げて乗らなければならなくなった。ヨメに状況説明したら「たまには苦労した方がいいと思う」。まぁそうですね。

SS1 1 ウィッタヤ 3分16秒。
    2 グリーン  3分21秒。
    3 国沢    3分24秒。

「満身創痍のクルマで最後まで走りきる」ことが最大のテーマになってきた。もちろん単なる完走狙いじゃない。今までで最も難しいラリーになること間違いなし。第2次世界大戦末期に部品補給無く、粗悪燃料で戦わなければならなかった南洋の基地の零戦乗りの心境になって頑張るのみ。

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2011年12月 9日 (金)

1秒後はカオス(12月8日)

午前中は3カ所のSSのペースノート作り。なかでも「こらスゲエ!」とウナったのが、用水路沿いのSS。走るのはガードレールの類一切無しの土手の上の幅3mくらいのジャリ道で、ほぼ全て直線。つまり全開です! まぁ最高速が出るでしょう。とうていラリーで使うコースじゃない。往年のサファリか?

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といったことを考えながらレッキを終えてシェイクダウンのコースに向かう途中、サービスから移動してきた本番車と遭遇。トヨタのステッカーは全出場者に貼り付け義務。ボディサイドには「タイ頑張れ!」と書いてあります。こうやって外観だけ見れば早そうなラリーカーだ。少し旧式ではありますが。

ということで始まったシェイクダウン。走り出すと「やっぱしFFですね!」。アクセル踏むと前輪だけホイールスピンする。しかもターボラグが猛烈! コーナー手前から左足ブレーキ踏みながらアクセル全開してるのに、クリッピングでトルク出ていない。加えてテール出ると、流れが止まらない。

いろんな理由はあるけれど、ペースノートにキチンと「ドントカット」(イン側に入るな)と書いてあるコーナーでクルマが内側に巻き込み、結果的にインカット。内側の出っ張りに当たってゴロンしちゃいました。速度は30km/hくらいだった、ユックリだったのでスローモーションみたいでしたね。

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やっちまった!

ジツは転倒するの、生まれて初めて。目の前のガラスが割れている。スペアパーツ無し。これでラリー、終わりか? そんなこと考えてる場合じゃない。裏返しのまんま止まった。燃えるとイヤなので脱出しようとしたが、迂闊にシートベルトを外せば「どさっ!」と落下する。手で天井を押さえてから外す。

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植草君曰く「哀愁の背中」

少なくともフロントガラスを交換しないとラリーに出られない。フロントのタイロッドも曲がった。タイには入っていないランエボだけに、もはやオシマイか、と覚悟を決めたら「フロントガラスが見つかった」。「タイロッドエンドも確保出来そう」。かくして暗くなり始めた頃から出場に向け修理を開始。

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驚くべきコトにラリーカーを見るなり「何も出来ない」とお手上げとなり、怒るのを通り越して「部品もない。こうなるれば笑うしかないぜ」状態になっていた小沢さんが、転倒するなりマジのモードに入った。逆に私は小沢さんにタマシシが入ったら、なぜか肩からチカラ抜けました。明日はセレモニアルスタート後にSS1だ。

どうなるか全く解らない。マイペンライです。

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2011年12月 8日 (木)

日々是修行(12月7日)

小沢さんとムスコは9時にヘッドクォーターホテル着。小沢さんにラリーカーを頼み、レッキに向かう。今日のレッキは3本。走ってみたら全て難コース。ダムサイドの24kmなんかオール舗装ということなんだけれど、後半が「朽ち果てた道」。農場の中の14kmはタイトコーナーが100個もある!

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キングスカップのポスター

さらにレッキ中に牛や人やバイクやクルマとたくさんたくさん出くわす。農道や生活道路になっているのだ。完全にシャットアウト出来るのだろうか? 人身事故が発生したため開催場所に違う地域にしたというけれど、大いに不安。まぁスタート順が1番手でないから少しだけ有利ですけど。

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本番で牛に当たったら一発リタイアでしょう

ラリーカーはどうか? レッキから戻って小沢さんに状況を聞くと絶望的でございました。「FFだと思ってください」だって。そもそもリアデフのLSDが入っていないという。加えてセンターデフもLSD無し。何と! つまりテール流してアクセル踏んでも後輪に駆動力はほとんど伝わらないということ。

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日本なら30万円出せば買えますよ、だって

しかもリストリクターも32口径でありました。まだある。ターボラグを減らすためのアンチラグが着いていないそうな。ランエボのカッコをしたFFにパワーのない普通のエンジンを搭載したクルマだと思えばよろしい。じゃ主催者はワザとダメなクルマを貸してくれたのか? そうじゃないから泣くしかありません。

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ブレーキなんか可愛いトラブルでした

というのも私が乗るランエボは、サイアムパラゴンやバンコク・ペニンシュラのオーナーのクルマで、みんなバリバリのスペックだと思っていたのである。ミーチャイさんのランエボならバッチリでしょう、みたいに認識されていたワケ。ところがどっこい! お金持ちはダマされやすい。ラリー屋にボッタクられていたという寸法。

悪気がないだけに怒る気にもなれぬ。ブレーキなんか全体のスペックに比べれば取るに足らない問題。こうなれば難しいコースコンディションを生き残るのみ。時間さえあれば私のラリーカーを持ってきた方が100万倍よかったっす。一度乗ってみたかったランエボなれど、願いかなわず。こうなったら楽しみましょう。

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2011年12月 7日 (水)

残る不安は二つ(12月6日)

バンコクを11時に出発してラリー開催地へ向かう。木原さんがコ・ドラなので初めて行く場所だって道は全く不安無し。そういった意味じゃコ・ドラってスーパーマンに近い。バンコク市内を出て9号線を北に向かう途中から洪水の痕跡が見えてくる。30kmほど北上し、1号線に入ったあたりで最も激しい。

建物や電柱などに残っている汚れを見ると、最大で2mくらいの水かさになったようだ。場所によっては津波の痕のような大量の浮遊物が残っている。ただ回復も早い。80%のお店は営業を開始してました。ガソリンスタンドも休業してるの、10軒に1軒くらい。完全に水没したと思われる食堂も営業中。

完全に山の中だというのでサラブリのスーパーで買い物。このあたりまで来ると洪水は全く無かったそうな。全く普通。そうそう。タイ用の携帯電話を購入。サムソンの製品で495B(!)。1250円である。シムカード(番号)は125円。500円分の通話可能なクレジット込みで1825円。安いです。

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今回のサービスカーは新型ディーゼルエンジンを搭載するトライトン。3,2リッターから2,5リッターにダウンサイジングしながら、最高出力が向上しており燃費も改善されているという。走り出して驚いたのがトルクの太さ。以前乗った3,2リッターよりトルクバンドも広くなっていた。良いエンジンです。

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ラリーホテルは文字通り山の中のロッジ。広大な規模を持つ。聞けば洪水以来、お客皆無に近い状態とのこと。今日も私ら5人(3部屋)の他、ムスコのコ・ドラのヨーンさん一家と、ニュージーランドのグリーンさん御一行、主催者3人のみ。部屋は古くて虫も多いけれど快適でございます。

肝心のラリーカーが無い。ウドンサックさんに聞いてみたら「木曜日に持ってくる」。こらマズい。小沢さんは明日の朝に到着。その時にラリーカー無ければ機嫌悪くなること必至。小沢さんは最善を尽くしたいのだ。ウドサックさんに掛け合い、なるはやで持ってきてもらうことに。別途ローダー料金掛かりますけれど。

もう一つの懸念事項だったタイヤは無事到着してました。この状況の中、よくぞ届いたと感心しきり。お願いした運送会社の担当の人が尽力してくれたおかげです。とりあえず大きな課題は一つ解決しました。残る不安二つ。ブレーキと、ラリーカーに着いているリストリクター(吸気制限装置)。

グループNは昨年から33口径なんだけれど、タイ国内戦は32口径だと言う。ライバルを見るとウィッタヤ選手もグリーンさんも33口径。私のラリーカー、どんなリストリクターか? 32口径だと30馬力違う。こらもう勝負になりません。ラリーカーが到着してみなければチェック出来ず。どうなる?

晩ご飯は従業員の方が多いレストランにて。

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