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2012年6月22日 (金)

ゆする(6月21日)

国宝ゴロゴロの東照宮へ行くと、日本に於ける神様と仏様の関係がよく解る。日本の近代文化の発展期だった江戸時代は一緒だったのだ。さぞやタイヘンなことだったろう。仏教は基本的に殺生を禁じ、飲酒もダメ。もちろん女人禁制。片や神道ときたら全てウェルカム! 行事のときなんか困ったに違いない。

そんなことから仏教ではお酒を「般若湯」(飲むと赤くなる湯)と称し、イノシシは「山鯨」(鯨は魚の一種という認識)。ウサギも一羽二羽と数え、受け入れてきた。郷に入れば郷に従え、です。という長い歴史を持つのに、今になって原理主義を唱える人が出てきた。ハイブリッドこそ日本の知恵なのに。

意外や意外。私が結婚式を挙げた赤坂の日枝神社の名前、比叡山から来ているのだという。そういえば子供の頃によく祖父を訪ねてきて頂いていた位の高いお坊さんも、般若湯をたしなんでおられた。でも子供ながらに気高いオーラを感じたものだ。神社とお寺の違いを認識し、それぞれの礼を尽くせばいいと思います。

さらに日光話。例幣使街道は朝廷から日光にお金を届けるために作られたもの。大名行列の如く駕篭で行き来したそうな。しかし駕篭に乗っていたのはお金に困った公卿や市民だったという。まぁお金を届けるだけの使命って武士の仕事じゃない。すると駕篭に乗った公卿や市民は宿場町にお金を所望する。

天子の使者を丁重に扱え、ということなんだろう。断ると駕篭を激しくゆすって転ばせる、という悪行に出る。地元の奉行や地主達も天子の使者だけにむげに出来ず、金品を差し出したという。お金に困った公卿も、1回日光に行くだけで立ち直るほどだったそうな。「ゆする」という日本語はここから生まれた。

例幣使ツアーは222回を数えたそうだ。もし機会あったら、そんなことを考えつつ例幣使街道を走ってみて欲しい。原カントクが「ゆすられた」というニュースを見て、江戸時代に出来た日本語に思いをはせた次第。50歳を過ぎて歴史の面白さに再び目覚める。ニンゲンの未来のヒントって過去にあります。

うなぎ屋の将来のヒントは過去を見ても全く掴めないのが最大の悩みでございますな。そうそう。やはり日本の「匠」、難しいようです。手作りは岡山の化粧筆くらい。カーオーディオなんて人も居たけれど、何も知らないのだろう。知らない、というのは強いと改めて思う。チョ~恥ずかしいですけど。

 

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コメント

度々乱筆乱文で失礼致します。
日本の歴史的には神仏習合の時代が奈良時代から江戸時代まで千年以上あったので、江戸時代は神仏ごっちゃが当たり前で今更行事で困ることは無かったと思われます。
むしろ明治政府の『神仏分離令』が出された後で廃仏毀釈が起き、お寺がたくさん廃寺になったり、お寺が神社に変わったりしました。(有名な所では鶴岡八幡宮、江ノ島神社、箱根神社など)
この時、多数のお堂、仏像、絵画など文化財が破壊されました。
お坊さんが神官になったりもあったようで、結婚式など行事を仏式でしかしたことがない人が、神式の結婚式その他の行事をやらなくてはならなくて困ったと思います。

投稿: シン・レオ | 2012年6月23日 (土) 01:09

「ゆする」という言葉はMinさん考えと似ていますが、被害者側の体を揺らして貨幣の”チャラン”という音を基に金を脅し取る行為だと思っていました。というのも私が中学生時代の不良はカツアゲする時、被害者をジャンプさせて小銭の”チャラン”という音を確認していました。私も何度かジャンプさせられましたけど要領が良かったので難を逃れる事が出来ました(笑)最近の若者はきっと電子マネーなのでこういった行為は絶滅してるでしょう。


日光の杉並木は一度通った事があります。もうそろそろ終わるのかなと思っても、まだまだ続いてて驚きましたね。確か杉並木世界一だと思いますが一度は走っておきたい日本の道100選(そんな定義があるかないかはわかりませんが)に選ばれると思います。でも、花粉症の方々は春先に走ったら気絶するでしょう。


いろいろ知識や情報を提供してくれるのでありがたいですね。

投稿: やくる | 2012年6月22日 (金) 21:58

大名行列で金をおとし、例幣使で巻き上げる。
お金が回るシステムですかねぇ。
この両者のこと、ちょっとも少し本でも読んでみます!

日本の匠、日本のオリジナリティ。
この四季など感性を生かしたもので勝負でしょうか?

投稿: applefanjp | 2012年6月22日 (金) 17:32

溶接技術なんかどうでしょうか…って思ったのですが、海外の軍事技術だったりして…(*_*)

匠の技を、リーズナブルな価格と使いやすさにする技術は、匠の技的♪かしら…

0からの創造はあんまり向いてないぶん、改善や進化させる事には長けてますよね。

投稿: かず | 2012年6月22日 (金) 14:41

例幣使街道って何度か通った事がありましたが、こんなエピソードが隠れていたとは!
「ゆする」は怖いお兄さんが襟首を掴んで振り回す事じゃなかったんですね(笑)
次回の井戸端会議トリビアで使わせていただきます!

国沢さんのブログはクルマ以外にも文化や経済等の広い視点からもあれこれ教えて頂けるので、毎日本当に楽しみにさせていただいてます。
ありがとうございます。

投稿: Min | 2012年6月22日 (金) 11:58

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