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2014年1月

2014年1月31日 (金)

三菱自動車、社長交代?

三菱自動車の代表が相川さんになると、日経新聞は伝えている。もちろん三菱自動車からの公式発表じゃなくスクープです。とはいえストーリーとして適正だと思う。益子社長は三菱自動車にとって厳しい9年間を切り盛りした。よくぞ今まで存続させてきましたね、と考えます。ただ副作用も猛烈に大きい。

例えばアメリカ。ブランド力が無くなった結果、今や本来なら人気筋となるアウトランダーすら売れない。ランエボXだって販売しているのに、話題にすら上がらず。なぜか? 最大の理由は「夢」を感じさせなくなったからだ。確かにモータースポーツから撤退した翌年の売れ行きを見ると「大差ないですね」。

5%販売台数が落ちても、費用対効果で考えればモータースポーツを止めた分だけリーズナブルになる。その次の年の落ち込みも同じようなもの。そうこうしているウチ、何で売れなくなってきたのか解らなくなってしまう。やがて三菱自動車という存在感が薄れてしまうのだった。今や世界規模で厳しい。

本来、パリダカとラリーを止めたら、次の「何か」で夢を追求すべきだった。「財政が厳しかったナニも出来なかった」という表現の方が適切か? いや、お金を 掛けなくても出来たことはあったと思います。いずれにしろ三菱自動車のブランド力は、世界規模で希薄。何より利幅の大きな高額車が売れません。

ということで相川さんである。もはや相川さんしかいない、とさえ言える。三菱自動車が「次はこの人でしょうね」と思える人を社長にしたの、初めてだ。何のモンクも無し! というか相川さんで三菱自動車を再興出来なければ、打つ手無しだと考えます。モリゾウさんのように夢を語って欲しい。

参考までに書いておくと、日産の国内販売低迷の図式も全く同じ。あるときからイッキに国内販売促進費用を大幅に切った。翌年はタイして落ちず、総合的に評価したらコストパフォーマンス上がった。それを繰り返しているウチ、落ち込みを挽回出来なくなったのでございます。

2014年1月30日 (木)

任意保険加入率

一昨日のこと。「最近任意保険の加入率が下がっているようです」と聞いたので驚いて調べてみたら「う~ん!」でございます。下のリンクは保険協会のデータなのだけれど、確かに予想していたより少ない。この他、共済の保険も15%程度の加入率あるため、90%近く加入してると思いますが‥‥。

平成24年3月時点

ちなみに沖縄は琉球新報といった大手メディアでも正確な加入率を調べられないようだけれど、どうやら共済が20%程度らしい。ということは合計して73%程度。つまり10台のウチ、3台は任意保険未加入ということになる。全国平均でも10件の交通事故のウチ、1件は無保険車だと覚悟しなくちゃならぬ。

そうそう。よく「原付は加入率低い」と言われているが、4輪車の保険に原付特約も含まれるため、加入してなくてもカバーされている。2輪車の任意保険加入率 も80%程度だと考えておけばいいだろう(全くカバーされていない2輪車の正確なデータは入手出来ず。公表されている数値も無し)。

最近問題になっている自転車で他の人にケガをさせてしまった時のため「個人賠償責任保証特約」というのに入っておくことをすすめておく。自動車保険の特約としても付けられる。年間数千円で、自転車用の保険と同等の金額だ。しかも同居家族全員をカバーしてくれるから便利。

無保険車と事故を起こし、物損被害あったとしよう(人身事故は自賠責でカバーします)。ノラクラと逃げられたら支払って貰うのは難しい。困ったモンです。メディアの社会的な役割は、日記に書いた踏切事故などの補償額を調べて公表し、保険に入っていない人に警鐘を鳴らすことだと思う。


2014年1月29日 (水)

自動ブレーキ割引

日本の公的な安全評価はヨーロッパのパクりだからして、当然の如く自動ブレーキ(ヨーロッパでは自律自動ブレーキと呼ばれる)もテストするようになると思ってました。ということで2014年4月から自律自動ブレーキの性能比較を行うそうな。当然の如く評価方法も100%同じでございます。

停止した車両に向け、自律自動ブレーキで止まるかどうかの判定をするというもの(10km/hから始め5km/h刻み)。下のリンクはイギリスで行われた自律自動ブレーキのテスト結果。同じことを日本でもやりましょう、ということだ。評価の実施は大いに好ましい。自動車メーカーにカツを入れられます。

pdfファイルの6P目からデータ

何度も書いてきた通り、自動車メーカー任せになっている実情は食品偽装より酷い。レーザーセンサーをレーダーと称して宣伝しているメーカーだってあるくらいだ。もちろん31km/h以上になると稼働しなくなってしまうタイプも、50km/h以上から止まるタイプと同列に扱われているのだった。

・注 最近ヨーロッパではレーザーを『LIDAR』と表記するのが一般的だからレーダーでいいでしょ、ムチャなコトを言うメーカー関係者もいる。ヨーロッパだとレーダーは『RADER』で綴りが違う(当然ながら方向のライトと光のライトと同じく発音だって違う)。誰も異なったシステムだと解ります。

国交省もそのあたりの状況を好ましく思っていない。評価は完全停止の他、これまたヨーロッパで行われている「20km/hで走行中のクルマにノーブレーキで接近した時の性能」もチェックするという。いずれにしろレーザーしか使っていない簡易型は、圧倒的に低い評価になることだろう。

例えばヴェゼルの自律自動ブレーキは軽自動車などと同じレーザーの簡易型。ステレオカメラやレーダー使ったシステムと比べたら話にならない性能しか無し。といった状況をキチンとユーザーに伝えるのは本来メディアの仕事なんだけど、皆さん自動車メーカーに遠慮して書かないです。

興味深いのは「自律自動ブレーキで死亡事故が10%減る」と国交省が公言していること。任意保険の割引問題の際「データ無いので安くすることはできない」。と金融庁が言っていたのだった。私は国交省の見解に100%同意する。自律自動ブレーキ付きのクルマは任意保険の割引を行うべきだ。

2014年1月28日 (火)

ベンツの安全技術にウなる

猛省します。新型ベンツCクラスには「隣の車線にクルマが居るときにハンドル切ってもソチラに行かないシステムが付いてる」とか「対向車と軽い接触事故になりそうな時は自動的に避けてくれるシステムを搭載している」と書いてきた。昨日ベンツ日本の人に聞いてみたら「Eクラスから搭載してます」。

改めて紹介&誌上レポートを探して見たが、その手の機能など紹介されていない。ベンツ日本のWebサイトをチェックしてみると、車線変更時のアシストについちゃ『アクティブブラインドスポットアシスト』の3つ目にそれらしいことが書いてある。対向車を避ける機能は『アクティブレーンキーピングアシスト』か?

何のことはない。ベンツ日本も性能を「凄い技術だ!」と認識していないためか積極的に紹介しておらず、メディア側は言われるままの記事を書いているだけなので気づいてないのだった。考えてみたら30km/h以下なら何時間でもハンドル操作してくれることすら、私以外、記事を見たことありません。

もっ と驚くのは、ベンツと市場で競っている日本の自動車メーカーの安全担当の人達も認識していないということ。参考までに書いておくと、車線変更で横のクルマと接触させない技術は数年前に日産の先端技術試乗会で体験してます。車線変更しようとすると反対車輪に軽くブレーキ掛けるというもの。

知らぬ間にベンツは実用化していたワケです。対向車との軽い接触(スモールオーバーラップのような事故)を回避するのもブレーキを使っているらしいが、この技術、特殊な環境を作ってやらないと安全かつ簡単に体験出来ない。稼働しなかったらスモールオーバラップで衝突しちゃいますから。

新型EクラスかSクラスに乗っている人で「この手の装置が稼働した」と感じた人がいたらぜひともどんな具合だったか教えてくださいまし。

2014年1月27日 (月)

2013年ベスト200

ベストカー1月26日売り号に昨年の販売台数200位までの表が出ている。こいつを見るとヒジョウに興味深い。例えばリー フって1万3021台も売れており、ミラージュや86、エルグランドに勝っているのだった。また、不振が伝えられるプリウスは、実際『α』を除けば14万 5230台しか売れておらず全体の6位。

WRX STIの3308台に対し、ランエボ622台という大差が付いていることも意外でした。 せめてダブルスコアくらいだと思っていたのに。クラウンHVは5万1720台も売れていたり、ソリオが若者人気No1だと思われているキューヴより売れてることにも驚く。CX-5なんか新鋭フォレスターを抜いてる。

ちなみに表はN BOXとN BOX+を分けていたり、ハイブリッド車だけを違う数字にしたりしているため、いろんな評価が出来る、というあたりも面白い。混ぜちゃうと解らなくなりますから。ちなみに200位はシーマの兄弟車であるディグニティ。30台しか売れておらず。三菱財閥も弱体化か?

興味深いのはLS600hとGS450hの台数。本来ならアメリカ市場を狙って開発したクルマながら、日本はそれぞれ4873台/2281台売れている。アメリカどうか? 何と115台/522台しか売れていない。車両企画としちゃ大失敗だ。アメリカに於けるレクサスのハイブリッド戦略、メロメロです。

トヨタというメーカー、売れないクルマを作っている人が出世してたりすることにも気づく。とにかく面白いデータなので、クルマ好きや自動車メーカーの方はぜひとも買って保存しておくことをすすめたい。

2014年1月25日 (土)

レヴォーグ好評!

・26日は19時30分から『Jスポーツ3』でWRC開幕戦モンテカルロのオンエアです。お時間ある方はぜひ。

絶賛する記事が続々と出てくるレヴォーグながら、私は評価を定めていない。もちろん良いクルマであることに全く異論無し。 ヨーロッパ車に負けない仕上りな点についても100%同意します。じゃなぜ評価を決めないのか? こらもう簡単。オペルやフォードもハンドル握れば素晴らしい仕上がりだからだ。

フィエスタやクーガー、フォーカスなど、新世代のヨーロッパフォードのクルマに乗ると、どれも「いいね!」と思 う。ベンツやアウディに負けない乗り心地を実現しており、小排気量過給エンジンだって搭載している。けれどユーザーはプレミアムブランドのように高い評価をしていない。このあたりがクルマの面白さだ。

4代目レガシィの素晴らしいところは、プレミアムブランドと同じ雰囲気を感じさせたことにある。じゃプレミアムブランドとフォードのドコが違うのだろう。明確な線など無い。強いて言えば「夢や理想を持っているか?」というあたりか? ゴルフ7や新型Cクラスなど見ると真剣に軽量化している。

ゴルフ7で90kg。新型Cクラスもアルミを多用することにより20%も軽量化しているのだった。フォードを見ると、スペックこそ追求しているが、こういった根本的な技術戦略を持っていない。ベンツの自動ブレーキに掛ける意気込みたるや驚くばかり。BMWだって真剣に次世代のクルマを考えてます。

レヴォーグの技術陣とジックリ話をしていないし、試乗も十分と言えない。どの程度の意気込みを持ってクルマの開発をしているのか解らず。4代目レガシィのように頑張っていれば、クルマにニジみ出てきます。きっと高く評価されることだろう。ということで評価は公道でたっぷり試乗してからにしたい。

2014年1月24日 (金)

IIHSの最新情報

IIHSのコンパクト級スモールオーバーラップの評価が出揃った。「軽いので案外良いかも?」から「この手の試験を想定してないから厳しい」まで様々な情報飛び交っていたものの、結果を見て「う~ん!」。相当厳しいです。動画を見ると「こら死んじゃうだろうな」という壊れ方の続出なのだった。

Aピラー折れてしまったり、サイドカーテンエアバッグ開かず乗員の頭が激突したり、はたまたレッグスペース残っていなかったり等々。単独事故でこれほど激しい壊れ方をするのだから、車重のあるクルマとスモールオーバラップしたらアカンでしょうね。なるほど死亡事故の大半を占めるだけあると再認識す。

ちなみにフィット(ジャズ)は旧型。モデル末期とあってホンダも対応しなかった。新型についちゃキッチリ対応しているという(日本仕様は対応の予定無し)。デミオ(マツダ2)も新型はキッチリ対応してくるとのこと(日本仕様は情報無し)。週末にでも下のリンクから壊れる状況をジックリとチェックして頂きたく。

コンパクト級の評価表(動画もあり)

対応策は二つ。まずスモールオーバーラップ状態でブツかりそうになったら、避けようとせず、むしろ40%オフセット衝突くらいまで深く当たるようにすることだ。フルラップ(車体全面)で64km/h衝突だと高いGが出てしまうため、あくまで40%を狙う。このあたりはなかなか難しいですけど。

二つ目はスモールオーバーラップ対応のクルマを選ぶ手。といっても日本で買えるモデルということになると、ボルボかアコードHVということになる。参考までに書いておくと、IIHSのスモールオーバーラップで好成績を残しているモデルの多くが、日本仕様についちゃ対応していません。

2014年1月23日 (木)

有名人の事故

たまげた! 日本は交通事故に対し世界一厳しいと今までも書いてきた。しかし! 下にリンクした報道、どうよ! 国民で共有すべき情報だろうか? 教訓にして学ぶ事案だろうか? 知っておかないと困る社会現象だろうか? 極めて単純な、どこでもいつでも誰にでもありうる事故だと考えます。

俳優さんの事故を報じるニュース

大半の国にゃこんな事故を取り上げようという報道デスクなど居ない。平和ボケなのか、日本は他にニュースないのか解らないけれど、異常だと思う。もっと大きな報道すべき社会問題など山積していると考えますけど‥‥。こういった些細な事故の処理で道路が激しく渋滞するのだから損失は大きい。

最近ツマらない事故が増える傾向。休日の道路情報を見ると、必ずと言って良いほど事故渋滞発生してます。先日なんか高速道路だけで5カ所も事故で渋滞してい たほど。警察も軽微な事故であれば交通の流れを止めての検証などせず、道交法の基本理念である「円滑な流れ」を優先して欲しい。

加えて 「事故」を誰にでも起こりうる不安なことだと割り切ることも重要。軽微な物損事故すら「ニュースに取り上げるべき一大事」と認識する人が増えれば、事故に遭遇したときの心理的なインパクトも大きくなってしまう。当然のことながら被害者になれば多大なる賠償が欲しくなる。

保険社会によれば数 年前から示談に手間どる傾向だという。かといって社会構造やマスコミの流れを変えることは難しい。そいつを多くの国民は本能的に理解しているから、事故を 未然に防ぐ効能持つ自動ブレーキ積極的に選ぶんだと思います。新車を買うなら自動ブレーキ付きをすすめておく。

2014年1月22日 (水)

真剣勝負

最近「新しい時代になりましたね」と思う。一昔前までは新型車が出る際、事前の取材会&試乗会を行った。そこで開発担当者などに話を聞き、意見の摺り合わせなど行い、正式発表というプロセスを経る。原稿書くのは正式発表の後になるため、いろんな意味でリハーサルありの録画中継のようなもの。

しかし。今や開発担当とメディアを繋ぐための広報業務が大幅に簡略化された結果、ぶっつけ本番の生中継になった。メディアも面識のない技術者と真剣勝負しなくちゃならぬ。私のように直球しか投げない書き手と、社内では大きな権力を持つ車両開発責任者がガチンコでやりあえば、どういう結果になるか。

ヴェゼル試乗会の時の自動ブレーキのセンサーの問題などが好例。クラウンのチーフエンジニアとも激しくやり合うことになった。新車発表の段階だって事前情報無いため、直球しか投げられぬ。先ほどオールアバウトにアップされたノア/ヴォクシーの新車紹介レポー トの如く、そのまんま書くしかない。

ノア/ヴォクシーの新車紹介

昨日はレヴォークの試乗会だったが、いつの間にか知らない技術者ばかりになっている。向こうも誰だかワカラン人間にどこまで話をしたらいいのか解らないだろうから、どうしてもシロウト相手の返答になり、そいつにコチラが納得出来ず突っ込むと腹立つのだろう。 技術者だってツッケンドンになってしまう。

こういった状態がイヤなのかと言えば、そんなことない。直球勝負だから良い打者に出会えば気持ちよ~く打たれる。ダメな打者だと遠慮無く押し切ればOK。ただもう少し上手に対応すればいいのに、とは思う。しかも最近は「ヨイショ」してくれる書き手ばかり重宝するものだから、読者が離れてしまう。

そらメディア側の失態でした。失礼。いずれにしろこのギョウカイの人間力や情報の奥行きは、確実に落ちてきてます。ムカシはメディア側/メーカー側双方にサムライや政治家や役者がいました。ということで、ここしばらくはダイレクトなクルマの評価になると思う。真剣勝負を楽しんで頂きたく。

本来なら広報は自社の製品を宣伝と違いお金を掛けずにアピールしてもらうのが業務のハズなのだけれど、最近は情報やネタを出すことで自動車メディアを喰わしてやってると思っているのかもしれない。楽しい時代です。

2014年1月21日 (火)

ノア、自動ブレーキ設定無し

新型ノア/ヴォクシーが発表された。最も興味深かったのは「自動ブレーキを選べるかどうか?」という点である。何度も書いてきた通りトヨタは事故を未然に防ぐための装備に対し感心が薄い。他のメーカーはマイナーチェンジですら自動ブレーキを選べるようにしてきているのに、依然として無し。

いくらなんでもノア/ヴォクシーのフルモデルチェンジから対応するでしょ、と思っていたけれど、カゲもカタチもありませんでした。なのに昨日あたりから速報流れているものの、その点について言及しているメディア無し。皆さんトヨタに対しビビッているのだろう。いくらなんでもそらないでしょ、と言いたい。

今や自動ブレーキは自分のための装備で無く、自動車という危険な乗り物を運用する上で、社会に対する義務のようなものだと考える。自動ブレーキで回避出来る事故は多い。認知症や疾病によるノーブレーキで突っ込む事故に対して唯一有効な技術でもあるのだった。いかんともしがたい!

ただトヨタが自動ブレーキを開発していることも事実。いつになるかはアナウンスないため全く不明ですけど。そう遠くないウチ、ノア/ヴォクシーにも装備されることだろう。それまで待つか、ハイブリッド以外のノア/ヴォクシーを考えているなら、自動ブレーキ付きのセレナもぜひ候補にしてくださいまし。

2014年1月20日 (月)

三菱自動車G4発売

昨年のバンコクオートショーでデビュー。その後、上海やフィリピンといったモーターショーにも展示されている三菱自動車の世界戦略車種『G4』が、ついに正式デビューする。意外だったのはアメリカ仕様からロウンチされること。新興国や発展途上国向けかと思いきや、そうじゃなかったのであります。

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ベースはミラージュ

確かに三菱自動車はアメリカ市場で剣が峰に立たされている。2013年の販売台数は、わずか6万2千台(ウチ乗用車は2万5千台と月販平均2千台)。マツダの28万4千台や、スバルの42万5千台と比べれば厳しさがイメージ出来ることだろう。いつ撤退しても不思議じゃない状況。

アメリカで大 きな台数を期待出来るカテゴリーのアウトランダーをラインナップしているものの、今やアメリカじゃMITSUBISHIのブランドイメージが”ほぼ”無い と言ってもよい。パリダカ撤退後パジェロ人気は低迷。ラリーを止めることでランエボも輝きを失う。三菱自動車は自らを追い込むことになった。

そこで今までの栄光を捨てイチから出直す戦略を立てたんだと思う。1,2リッター3気筒エンジンを搭載するG4の価格は1万2995ドルと、韓国車で最も安価な起亜『リオ』の1万3800ドルより安い。アメリカって「新車に乗りたい」というマーケットもあるのだった。しかし強敵が存在します。日産だ。

1,6 リッター4気筒エンジンを搭載するバーサの4ドアを1万1990ドルで販売しているのだった。ただ燃費は例えば街中モードでバーサの11,5km/Lに対 し、G4は15,8km/Lと圧倒的に良い。このあたりを積極的にアピールしていくのだろう。果たして低迷を止められるだろうか?

2014年1月18日 (土)

フロントはショーワです

日記でも書いた通り、ハスラーのダンパーはフロントにショーワ。リアがKYBである。いや、ハスラーに限らず、ハンドリングと乗り心地のバランスを取ることが難しい背の高い軽自動車は、基本的に同じ組み合わせを選ぶ。なぜか? こらもう簡単。どこのメーカーに聞いても「フロ ントは乗り心地に影響大きいので」。

ここまで読んで「なぜリアにもショーワを使わないのか?」と思うことだろう。これまた簡単。購買部門の強い意志によるものだ。購買部門としては複数の部品メーカーと付き合うことにより、安定供給と価格競争が出来ると考えている。したがって開発部門からモ ンクを言われながらも「KYBを使って欲しい」となるワケ。

KYB嫌いだからそんなこと書くんでしょ、と思うのは自由だ。けれど見事に「フロントKYB。リアにショーワ」という組み合わせはありません。フロントに日立を使うメーカーや車種はあるが、KYBをリアに使うのってテッパンです。フロンなど考えられぬ。ちなみにKYB嫌いで無く、KYBのダンパーが良くないと言ってるだけです。

ただKYBも少しづつ進化している。「いいね!」と評価出来るダンパーも出てきた(軽自動車用についちゃ全滅ですけど)。加えて喜多見さんによれば「KYBのダンパーはキッチリ出来ているのでネオチューンしたらヘタな後付けダンパーよりずっと良いです」。5年もすれば軽自動車用のKYBも良くなるかも。

興味深いことに日本製ダンパーの中じゃ良いと評価してきたショーワながら、ホンダはダメを出し始めている。直近でもオデッセイとヴェゼルが韓国ザックスのダンパー使ってます。ホンダに聞くと「ショーワじゃ作れない乗り味を持ってます」。とは言えホンダもザックスの技術を全て引き出せているとは思えない。

オデッセイのアブソルートと、ヴェゼルのハイブリッドは乗り心地がイマイチだからだ。ザックスのダンパーを使いこなせるようになれば、ホンダの乗り心地の上質感が大幅に向上すると思います。いずれにしろ日本車の乗り心地は少しずつ良い方向に向かってますね、と手応えを感じるようになってきた。

2014年1月17日 (金)

デトロイトショー

デトロイトショーを伝える一般メディアは、強く大きいアメリカが復権していると報じている。シェールガス革命によりガソリンに余裕出て値下がり傾向だから、ということを根拠にしてます。一般メディアの分析能力なんてそんなモン。報道の方向性を決めるのは専門家で無く、普通のニュースを扱ってる人。

この方向で、と決めたら、それに沿ったコメントや素材を集めていくのみ。前回の東京モーターショーなんかスポーツカー復活だと騒いでましたから(ハスラーのようなスポーツ・ユーティリティ・ヴィークルもスポーツカーですよね、だって!)。デトロイトもまたぞろ東京と同じくスポーツカーが復活してると報じてる。

景気の良いGMが、新しい代表(カーギャルと呼ばれている女性)とセットで新型コルベットを大々的に発表したり、日本人記者はスポーツカーだと思っているマスタングの新型を見たりしたからだと思う。地味だった日本勢がWRX STIやトヨタFT-1をリリースしたのも印象的だったのだろう。

果たして大きく強いアメリカが復権しているのだろうか? 例えばアメリカのベストセラーカーであるフォードのFシリーズはフルモデルチェンジする。内容を見てびつくり! 何とアルミを使い300kg以上軽量化! エンジンは2,7リッター4気筒ターボ+10速ATだという。実用燃費は25%以上改善されるそ うな。

リーフは昨年12月に米国工場の増産が整ったため2500台を売った。今や作れるだけ売れる状況。在庫も非常に少ない。そもそもガソリン価格だってガロンあたり3ドル後半の高原状態。大手メディアの記者さん達が自腹で飛行機に乗っていれば、燃油サーチャージも高いままだと気づくでしょうに。

現在アメリカで進行してるのは、ドラスティックな省燃費化だ。大型車はサイズを維持したまま燃費を大幅に改善させようとしているし、中型車もダウンサイジングターボを積極的に採用。小型車はハイブリッドや電気自動車で生き延びようとしている。底に流れるの、依然として省燃費であります。

アメリカのガソリン相場

参考までにガソリン相場を上に貼っておきます。記者として赴任して3年くらいまでの人なら「ガソリンは安くなった」と思うかもしれないが、10年スパンくらいで見るとやっぱり右肩上がり。シェールガスでここからは上がらないだろうが、10年前の相場に戻ることなど考えられない。


2014年1月16日 (木)

全面的に増税~!

やっぱり軽自動車税の2回目の増税は避けられないようだ。すでに決まっている「2015年4月以降の新車についちゃ7200円から1万800円にしますね」というのは、消費税が10%になるまでの臨時的な措置だったワケ。本格的な増税は消費税10%となった後の2016年4月に行われると覚悟しておくべき。

その際の税額は、おそらく現在の2倍の1万5千円。まぁ予想通りですワな。当然の如く登録済みの軽自動車全てに適用しようと考えている模様。減収分を補おうとすれば2倍にしないと追いつかないですから。また、購入時の取得税を廃止とする代わり、初年度の自動車税に濃淡を付ける方向で検討しているようだ。

現時点でもハイブリッド車など燃費の良いモデルについちゃ5%の取得税を免税したり減税したりしている。実質的に取得税の廃止を先取りしているワケ。ここにカラクリが仕込まれている。政府は「消費税10%になった時に5%の取得税を廃止しますから税金の負担は同じですよ」と上手なことを言ってます。

けれど現在取得税を払っている「燃費の悪いクルマ」は極めて少ない。今や大半の新車が取得税免税の対象になってます。取得税を廃止しても全く影響ないのだった。「現在の売れ筋である省燃費車」はキッチリ消費税分が増税になるという寸法。燃費の良いクルマほど増税になるということです。

と思っていたら、そんな甘くなかった。2016年4月から燃費の悪いクルマの初年度自動車税を上げることを検討しているようなのだ。ハイブリッドのように燃費の良いクルマについちゃ現在と同じく1年目の自動車を免税。燃費悪いクルマは自動車税を取る上、割り増しにしようという作戦。

何のことはない。 省燃費車は消費税分で増税。燃費悪いクルマは取得税が無くなる代わり、初年度の自動車税を割り増しで取られるのだった。その上、2015年4月以後、11年以上経過してるクルマの重量税を0,5トンあたり900円(13年以上は千円)上げる。総合して考えれば、全て増税ということだ。

2014年1月15日 (水)

ヴェゼルの自動ブレーキ

昨日のこと。ヴェゼルの試乗会場で「今や日産もノートなどコンパクトカーはカメラを使った標準型の自動ブレーキを採用しているのに、なぜヴェゼルの場合、軽自動車と同じ31km/h以上でノーブレーキ状態になってしまう簡易型自動ブレーキなのか?」と聞いてみた。 ヴェゼル唯一の弱点です。

すると「ヴェゼルはカメラを使ったセンサーです。カメラはココ(フロントガラス中央上部)にあります」とのこと。どう見ても上に発光部があり、下に三つの受光部を持つ赤外線を使ったレーザーセンサーです。これはレーザーでは? 返したら「カメラです」。ゾウを見てるのにキリンだと言われるようなもので途方にくれる。

水掛論になった後「調べておきます」というので2時間ほど試乗し、戻ってきたら別の方が「レーダーです」。レーダーだとすればセンサーはエンジンブレムのところについているハズ。ヴェゼルのシステムはレーザーですよ、と私が答えるのも妙なハナシだけれど、そう言ったら「レーザーレーダーです」。やっぱり知らない。

いずれもそれなりのポジションの方です。特に最初に聞いた方は、その場に居たホンダの人がレーザーセンサーを使っているシステムだと100%解っていても「違います」と切り出せないような人である。ホンダに限らず、これは日本の自動車メーカーが自動ブレーキをどう考えているのかよく 解る事案だと感じた。

本来なら今後の自動車技術を考える上で重要な自動ブレーキや日本仕様車のスモールオーバーラップをどうするか、という論議を大半のメーカーが行っていない。現状は車種毎の対応です。2008年のリーマンショック以後、日本の自動車メーカーも厳しかったと思う。そろそろ体勢を整え、明日を考えるべきだ。

2014年1月14日 (火)

燃料電池の展望

お正月らしくパワーユニットの話題など。

デトロイトでレンツ北米トヨタ自動車社長は、燃料電池車を「近い将来の有望な技術」とし、推進していくというコメントを出した。果たして燃料電池の実力やいかに? ちなみにトヨタで燃料電池(とハイブリッド)に注力しているのは初代プリウスのチーフエンジニアでもあった内山田会長である。

内山田会長のビジョンを聞くと、当面はニッケル水素電池使った ハイブリッドが主役となり、そこから燃料電池にバトンタッチさせるのだという。だからこそ電気自動車やディーゼル、小排気量ターボ、リウチウム電池をトヨタは”ほぼ”開発していない。この読み、トヨタの中でもたくさん異論出てますけど‥‥。

ホンダもGMと燃料電池のアライアンスを組み、量産効果出して2020年くらいから本格的に販売しようとしているようだ。ただ伊東体勢になって以後、小排気量ターボや開発を凍結していたクリーンディーゼ ルも動き始めている(電気自動車についちゃ懐疑的らしく本格的な動き無し)。

日産は燃料電池のアライアンスをベンツ/フォードと組んでおり、独自開発したスタックの性能だって十分に高い。されどゴーンさんが普及に疑問を持ってる。「10年くらい難しい」と直近ではコメントしており、むしろハイブリッドを近い将来の主役と考えているらしい。ハイブリッド攻勢を掛けてきます。

今後どうなる? トヨタの場合、内山田会長が勇退すると「ニッケル水素電池使うハイブリッドから燃料電池」へのバトンタッチ作戦は弱含みになると考える。ホンダは燃料電池より、ハイブリッドや小排気量ターボに代表される現実路線を強化していくことだろう。日産のハイブリッドについちゃ伸び悩むかと。

おそらくどこのメーカーも、今後10年は省燃費ガソリンエンジン/小排気量ターボ/ハイブリッド/ディーゼルをそれぞれの特徴を活かして使っていくと思う。 同時にBMW i3のような電気自動車ベースのレンジエクステンダーが伸び始め、次世代の高性能電池搭載の電気自動車に引き継がれるだろう。

とは言え燃料電池だって可能性は大いにある。小数精鋭で頑張ったら良いと考えます。

2014年1月12日 (日)

大阪オートメッセ

よく「なんでベルファイア/アルファードは年間8万台以上売れているのに、エルグランドが1万台少々しか売れないのか?」 と聞かれる。オートサロンを見るとよ~く解ります。ベルファイアやアルファードの顧客層は、いわゆるヤンチャな人達。普段着がジャージとか、鯉の模様の入った服など着てますワな。

日産のディーラーに行くと、やっぱし営業マンだって上手に対応出来ない。そらそうだ。私だって積極的に関わり合いたくないですから。当然の如く一線を引いた付き合い方になってしまう。一方、ヤンチャな人達ってメンツを大切にする寂しがり屋なので、ツッケンドンな 対応なんかされたら絶対クルマなんか買わない。

トヨタだとどうか? 営業マンはベテラン揃い。地方のヤンチャなお兄さん達が来ても、たい てい親などに人間関係を持ってる。「ああ~! ナニナニの誰さんの息子さんですか!」といった具合。ヤンチャなお兄さん達は知り合いを出されると突っ張らないし、けっこう根っこは素直でやさしかったりする。

その上でトヨタの営業マンは「誰々さんの息子さんなら頑張りますよ!」といって商談をしてくる。トヨタの後に日産に行ったり、日産の後にトヨタに寄ったりすれば、こらもう説明するまでも無い。絶対にエルグランド買わないです。思ったより キャラバンNV350が売れないのも同じ理由。ここがツボなのだった。

果たして日産にトヨタのような営業は出来るだろうか? 今の状況を見てると「難しいでしょうね!」。もし日産がホンキでエルグランドとかキャラバンNV350を売ろうとするなら、抜本的な営業の改革が必要だと思う。例えばディーラーに1人づつ地元のヤンチャ上がりの営業マンを置くとか。

いずれにしろオートサロンに行くといろんなことを考えさせられる。勉強や修行をしたいなら2月14~16日に大阪で開催される『オートメッセ』に行くことをすすめておく。きっと考えさせられることがあります。

2014年1月11日 (土)

オートサロン開幕

オートサロンに行くと、いろんなことを感じる。今年の「へぇ~」は「クルマ離れも底を通過しましたね」とハッキリ感じること。何より普通のクルマ好きが増えてきた。今までオートサロンの主な顧客層と言えば、激しいチューニングカー好きや、おねいさん目当てのカメラ小僧達。もちろん依然として少なくないですけど。

ただ3年くらい前から激しいチューニングカーは(クルマだけでなく人も)減り始め、普通のクルマ&クルマ好きが目立ってきた。自動車メーカーの存在感も確実に大きくなっている。「元気な東京モーターショー」と言っても良いほど。なんせモリゾウさんまでトークショーに出ちゃってますから(大好評でしたね)。

顕著なのがカメラ小僧の高齢化。カメラを持っておねいさん達を追いかけまくっているの、下を見て30歳以上。若い人はほとんど居ない。もはや「小僧」でなく、ヲジサンです。この人達はトークショーやってても女の子にしか興味を示さないのだった。どんどん高齢化していくんだろうな、と思った次第。

東京モーターショーでも感じたことながら、若い人が増えている。話を聞くと皆さんクルマに興味あるし、欲しいそうな。クルマ関係のイベントは派手で規模が大きくて賑やかだという。そうかもしれない。何のかんのいってもクルマ関連はバブル時代を知っている人も多い。基本的に派手好きです。

景気の良い時代を知らない若い人からすれば、お祭りみたいで楽しいことだろう。といった話を聞くと、やっと新しい動きが出てきたのかと感慨深い。最近クルマに興味がなくなって‥‥。みたいな人はぜひともオートサロンを。古いオモチャ箱をひっくり返した気持ちになるとかと。きっと少し元気になると思います。

ちなみにクルマだと激しく混むため、電車での来場をすすめます。今日なんか高速道路の出口から駐車場まで2~3時間掛かると思う。私も今日は電車だ。

2014年1月 9日 (木)

クルマのスマホ化

グーグルがナニを狙っているのか2日間ウンウンと考えてみた。私の結論は「スマホと同じですかね」。御存知の通りガラケー は端末機を開発したメーカーのソフトで動いてます。しかしスマホになるや、全てアンドロイド。グーグルが端末をコントロールしている、と言い換えても良い。もっと酷いの、アップルです。

アイフォンで莫大な利益を上げているが、生産しているメーカーのブランド無し。まるでアップルで開発 し、生産しているように感じる。端末機を作っているメーカーは単なる下請けだ。アイフォンを使っている人も、ハードがどこで作られているかなど気にしな い。アンドロイドを見ると、そこまで極端じゃありませんけど‥‥。

一応、作っているメーカーも特徴を出そうと頑張っている。ただOSは全 てアンドロイドだから、オリジナリティでの勝負など出来ない。グーグルの動きを見ると、クルマも同じOSで動かそうと考えているようなのだ。確かにクルマ も基本OSあれば便利かもしれませんね、と思う場面がある。開発コストだって短縮出来そう。

クルマ業界にアップルは参入してこないだろう から、自動運転や交通のコントロール、駐車場の満空情報、渋滞を避けるナビゲーションなど、全てアンドロイドで構築できる。出会い頭の交通事故や、アンドロイド端末を持っている歩行者や自転車との事故も防止出来るかもしれない。全く新しいクルマ社会になる?

問題はそれで楽しいのか、というもの。きっと楽しくて便利なクルマになるんだろう。ガラケーとスマホの関係もそうですから。逆に考えると、クルマ選びもスマホ選びと同じようになってしまうということです。私のように古いクルマ好きだと漠然とした「納得出来ない!」感が残る。読者諸兄はいかがだろうか? 

追記・サポーターの方からサジェスチョン頂いたのだけれど、もしアンドロイドをクルマの基本OSとしたなら、繋がった途端、ウイルスに悩まされることになるかもしれない。クルコンが暴走したり、自動ブレーキが勝手に動いたり、ハンドルを突如切られたら恐ろしいことです。そのあたり、ホンダはどう考えているのか?

2014年1月 8日 (水)

リーフ、伸び悩む

日本に於ける電気自動車のポジションが微妙になってきた。そもそも日産で一番電気自動車を支持していたのは志賀さんである。なのに人事異動でリーフの担当から外れてしまったのでございます。事実上の後任となる片桐副社長は、コミットメント(ゴーンさんとかわす販売約束)からリーフを除いている。

リーフは難しいと考えているのだろう。確かに国内販売を見ていると難しい。久しぶりに沖縄で電気自動車の状況を取材してみたが、少なくとも増えておらず。レンタカーは前期型リーフばかりで、現行モデル皆無に近い状況。しかもリーフのレンタカー、人気イマイチらしい。 当然の如く稼働率も伸び悩んでます。

日額料金こそ免責保証料込みで6300円と安いが、急速充電しようとしたら2千円の充電会員にならな くちゃダメ。つまり実質的に8300円と、魅力度薄い。その上で、急速充電1回あたり500円を払わなくちゃならぬ。だったら4千円以下で借りられる 1,3リッターカー級でいいよ、になる。

沖縄でリーフのレンタカーに乗り、魅力を感じたから購入した、というケースも限りなくゼ ロに近いのだとか。むしろ充電の面倒くささなどでイヤになったという人の方が多い。そして2014年度の補助金は、まだ決定しておらず。個人的には何とか 継続になると考えていますが‥‥。減額になったら辛いワな。

一方、アメリカではリーフが順調に売れている。12月など2500台を販売。 現在リーフのアメリカの工場はフル稼働中。アメリカ人はリーフのメリットを認識し始めているのだろう。こうなるとクチコミ(フェスブックやツイッ ター)でイキオイが付く。アメリカ市場ではリーフの好調な売れ行きが持続すると思う。

日本はどうか? 結論から書くと「低空飛行 か?」。日産にとってよいPR素材になるだろう(丹後半島ラリーの時はぜひともディーラーに展示させて欲しいと頼まれたほど)私のリーフのラリーカー、 シーズンオフは無料で貸しますと伝えているにも関わらず反応無し。残念なことだと思います。

伝統的に日産は「早出し」をしてしまい、断念。その間に技術を磨いたライバルメーカーに出し抜かれてきている。今回も同じことになるのか? 良いクルマだけにもったいないと思う。もう少し頑張ればアメリカのように売れ出すことだろう。

2014年1月 7日 (火)

アンドロイドを車載する?

ホンダはアンドロイド(グーグル)で動く端末を車載したモデルを年内にも発売するという。私のアタマが古いため、どういう ことをしようとしてるのか読めない。ようするにネクサス7を携帯電話でティザリングし、車載しているとの同じことなんだと思う。その場合、停車状態でなければ、大半の機能が使えないです。

走行中、画面を見ながら操作することは法規的に禁止されているからだ。助手席の人が操作するとしても、 10インチ程度の液晶画面だと揺れる車内で細かい操作することなど難しい(助手席に座った状態でネクサス7をいじってみればよく解る)。ナビ主体で、ということなら、すでに新型ハリアーが採用してます。

新型ハリアーのナビ、縮尺の変更を含めスマホのような操作ができるのだった。フィットの ナビよりずっと動きも良く操作しやすい。じゃ普通のナビよりずっと使いやすいかと聞かれれば「う~ん!」。アンドロイドは画面を見ながら操作することをコンセプトにしており、見ないで操作できるよう進化してきたクルマ用と違う。

もう一つ。おそらくアンドロイドは5年スパンくらいで大きく性能向上していく。同時にハードも処理能力が4倍くらいに増えていくだろう。クルマ用のナビだと最低10年くらい使いたいところ。バージョンアップくらいじゃ追いつくまい。だったらタブレットを車載出来るようにするくらいの対応でいいんじゃないかと考えます。

といったことをホンダの開発陣は100も承知だろう。以上のような状況の中、どんなソフトを盛り込んでくるのか大いに楽しみ。おっと! 音声入力でメールを送ったり、ラインの無料トークといった程度ならタブレットの車載で足りる。きっとそれ以上の「なるほど!」があるということかと。大いに楽しみでございます。

2014年1月 6日 (月)

タイ争乱。13日に大きなデモ

一時楽観出来たタイの混乱だけれど、少し長引きそうな状況になってきた。1月13日に行うというデモは相当の規模になる模様。というのも騒動を起こしているの、タイの富裕層。スポンサーが多い。お小遣いをバラまいたり、楽しいイベントなので参加しようと呼びかけている。お祭り騒ぎに仕立てているのだった。

もちろん政府側だっていつまでもガマンしてるワケじゃない。デモの先頭は激しい戦いになることだろう。13日のデモ、スワンナブーム空港まで巻き込むとのこと。騒ぎを起こしているのが実業家達ということもあり、今のところ港湾関係や工場など正常に稼働している。けれど今後どうなるか全く予想出来ない。

なにしろ3分の1を占めるお金持ち勢力側は、タクシンの関係者(インラック現首相はタクシン元首相の妹)が政治に関わることを絶対許さないと言っている。されど選挙を行えばインラック支持者が3分の2を占めると予想されるから、選挙はイヤなのだ。それでいてお互い譲る気全く無し。ニッチもサッチもいかん。

タイ人に聞いても「今回は解らない」と言う。説明するまでもなく日本の自動車メーカーにとってタイは重要。この状況が続くと、何らかの対策を考えなくちゃならない。かといってタイ以上に好ましい東南アジアの国があるかとなれば難しい。ベトナムもカンボジアもミャンマーもインドネシアもマレーシアも一長一短。

ただタイの歴史は長い。確かに王様の健康状態を考えると心配も多いと思う。タイ人を見ていると、簡単に国が割れると考えにくい。何のかんの言ってもアジアじゃ有史以来、日本とタイだけ独立国として存在してます(中国は”明”と”清”で民族が違う。明は漢民族。清は満州族)。タイを信じるべきだと考える。

とはいえ一時的な争乱を含めて考えるべきだろう。


2014年1月 4日 (土)

太陽光電気自動車

フォードが来週からラスベガスで行われる見本市に、太陽光発電パネルをルーフへ載せたC-MAX(プリウスαサイズ)のハ イブリッド車を発表する。果たしてペイ出来るだろうか?(経過は不要、というなら*まで読み飛ばしてOK)。まず太陽光発電の効率だけれど、理論値だと1平方メートルあたり1000Wとなる。

太陽光パネルの発電効率は13%程度だから、最大130Wということでございます。1日12時間太陽光があたり、その間の平均効率を7%とした場合、1平方メートルあたり70Wの電気を作れる。フォーカスC-MAXのルーフに2,5平方メートルの太陽光発電パネルを載せられたら、175W発電出来るワケ。

こいつに東京の平均日照時間(1880時間)を掛ければ、年間330kWh発電するということになります。電気を330kWh買えば1万円だけれど、330kWhでハイブリッド車のC-MAXが走れるだけのガソリン代は1万6千円。 10年間で16万円です。*長い計算になった。10年間で16万円浮くと言うことである。

つまり16万円以下で太陽光発電パネルを装着出来れば「大いにあり!」ということになる、それ以上のコストが掛かるようであれば「環境にボランティアなど無し! アイデアは面白いですけどね~」。というか、そんなこと日本の自動車メーカーだってとっくに考えていた。何度も話をしたことがありますから。

フォードC-MAXの件、いろんな トコロでニュースになっているけれど、日本の自動車メーカーは「え~っ? 今頃なの?」と思っていることだろう。ただし! 平均発電効率15%になり、5平方メートルくらいの太陽光パネルを載せられれば(ボンネットやトランク、ボディサイドなど)、東京でも年間1410kWhの発電能力に。

1410kWh あれば、平均電費7,5kmのリーフだと1万600km走れてしまう。何と! 外部から全くエネルギーを供給することなしに年間1万600km走れると言 うこと。日照率の高い地域だと一段と走行距離伸びる。決してナメられない技術ながら、今回のフォードについちゃ学生の佳作レベルであります。

2014年1月 3日 (金)

乗り換える~

新型Cクラスの情報を得る度に「う~ん!」とウナってしまう。事故を回避するための電子制御満載と言ったイメージ。対向車とのスモールオーバーラップ衝突を回避する機能まで持っている。日本仕様でどこまで盛り込んでくるのか解らないけれど、フルスペックで持ち込んできたら驚くしかあるまい。

じゃ日本の技術が負けているかと言えば、そんなことない。そもそも最初にミリ波レーダーとカメラ、電動パワステを組み合わせた制御を採用したのは日産だ。10年間以上にわたり、全く技術を伸ばせなかっただけ。理由はいくつもあるだろうけれど、役員に代表される幹部が足を引っ張るケースも目立つ。

日記にも書いた通り、マツダのアダプティブクルコンは完全停止機能を持っていない。何でなのか聞いてみたら「人間がブレーキを掛けて止まらないとダメだ!」 と言い張る幹部に押し切られたのだとか。多くの開発陣がライバルメーカーも止めているのだからいいでしょう、と主張したけれど譲らなかったらしい。

ハリアーのアダプティブクルコンも完全停止しない。途中で解除されてしまう。こちらはミリ波レーダーの精度が悪くて車間距離を正確に検知出来ないため実現出来ないそうな(よって15km/hまで自動ブレーキも稼働しない)。現場の技術者は良いセンサーを使いたいのだけれど、幹部が許可してくれず。

そんなこと言ってもアダプティブクルコンなんか使わない。売れればいいでしょ、というのはビジネスを考えた場合、正論だ。こういった現象を「コモディディ化」などと称するけれど、日本の自動車メーカーの動きは違う。いや、コモディティ化かもしれないけれど、目指す目標が非常に高い。

ファストフードの売り上げの方が、味で勝負するレストランの売り上げより多いし、コンビニのスイーツも下手なケーキ屋さんより美味しい。ユニクロのヒートテック、暖かい。自動車もコモディティ化しつつ、高い魅力を持っていればビジネスとして成り立つし、国際競争力だって十分キープ可能です。

といったことを理解しつつ、こんな時こそ技術を磨くべきだと考える。私らクルマ好きに出来ることは「魅力的なクルマを買うこと」。10年以上同じクルマに乗っている人にお願い。自動車業界の将来のため、今年は乗り換えましょう。「乗り換えモード」に切り替えてみると、魅力的なクルマもけっこう多いです。

2014年1月 1日 (水)

謹賀新年

過去の正月のTOPを見ると、自動車メーカーのことばかり書いてきた。されど日記にも書いた通り、今年正念場を迎えるのは私ら「自動車メディア」だと思う。円安効果で絶好調の自動車メーカーに対し、自動車メディアは数年前から右肩下がり。絶滅危惧種になりつつある。そもそも「ぬるま湯」だったかもしれません。

結果、お風呂にも入らない太ったオタクになってしまった。今や完全に足下を見られてしまっている状況。何より本来の支持者である「信じてくれる人」がぬるま湯に浸かっていることを見抜いてます。それじゃダメだ。適当な緊張感を持っていないとアカンです。かといって対立や離反でもない。ここが難しい。

私らの先輩世代は、小さい存在だと言うことを認識しながら、はるかに強大なメーカーに対しちゃぶ台をひっくり返す覚悟を持っていた。フトコロに飛び込みながら、いつでも裏切る雰囲気を見せていた、と言い換えても良い。そんな先輩方も引退したり、背負う”荷物”が大きくなり、伝家の宝刀も抜かなくなってます。

尖った主張などせず「自動車趣味」というぬるま湯に入るというのも良い作戦だ。同好の士と触れ合う、ということです。そうなると「メディア」じゃなくなってしまいますけど‥‥。はたまた生存能力が強い者は「良き主」を見つけることにより、今後も「自動車メディア」という看板を出しつつ悠々喰っていけるかもしれない。

両方共、私が考える姿じゃありません。読者の皆さんとも緊張感を保っていたい。100%価値観が合う人なんかいないです。「私が厳しく評価したクルマに乗っているけどサポーターになってくれている人」に出会うと嬉しくなる。ということで有言実行。残る人生4年と考え、出来ることからやっていきたい思う。

今年もよろしくお願いします。


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