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2013年10月

2013年10月31日 (木)

2輪ルネッサンス

今回のモーターショーで密かに期待しているのが2輪車である。御存知の通り4輪車より早い段階で非常に厳しい状況に入り込んでおり、今や輸入ビックバイクと大型スクーターを除き、あまり動いていない状況。バイクメーカーも相当な危機感を持っていて、前回のモーターショーから変わり始めたニオイを感じた。

今回さらに2輪車のルネッサンスを感じるんじゃなかろうか。というか、今回魅力的なバイクを出してこないメーカーは将来無し。そんなことを考えてたら海外の メディアがスズキのコンセプトトカーを紹介していた。電気バイクでございます。下に記事をリンクしておく。なかなかカッコ良いぢゃありませんか! 欲しくなる。

スズキのコンセプトバイク

原付サイズで、60km程度の航続距離を持つようだが、原付二種登録だったら嬉しい。ある程度緒性能は必要です。絶対的な動力性能で最高速70km/hくらい欲しいところ。バイクって今や不要なモノの代表。その割に高いしアブナイ。魅力なければ誰も買わない。ということを解ってきたのかもしれません。

実需あるのはスズキのコンセプトバイクより一回り大きいサイズだろう。航続距離60km級の125ccクラスのスクーターなんか近所の足として面白いと思う。繰り返すが原付クラスの電気自動車は魅力無し。何度も乗っているが、遅くて怖くて使い物にならんです。もう少し本格的なヤツじゃないと売れまい。

もちろん電気バイク以外にも、前回出展されたヤマハの『もえぎ』のような気持ちよく走れそうなタイプを、あららら? というようなお手頃価格で販売したら絶対に若いユーザー達もバイクに戻ってくることだろう。4輪にも言えることながら「とにかく魅力的な商品を!」です。欲しい2輪車がヒジョウに少ない

2013年10月30日 (水)

ECOタイヤ進化

直近の2年でECOタイヤの技術は驚くほどの進化を遂げた。タイヤメーカーに聞いたら、門をコジ開けたのはホンダだと言っている。「転がり抵抗が圧倒的に少なくてウエットグリップの良いタイヤじゃなければ不要!」とまで言われたそうな。当然ながら脱落したメーカーもある。結果、凄いことになってます。

全日本ラリーのウエットタイヤはヨコハマの『ブルーアースA』というECOタイヤを使っているのだけれど、スポーツタイヤと遜色の無いウエットグリップを持つだけでなく、コントロール性が素晴らしい! 「限界が低く滑り出すときのインフォメーションも薄い」という今までのECOタイヤの常識からすればトンでもないこと。

マイナーチェンジでアクアの燃費がフィットHVを超える。どうやらハイブリッドシステムに代表されるパワーユニットの変更は 最小限らしい。現在アクアが履いているタイヤを、新世代の低転がりタイプにするだけでポンと燃費上がったのだという。2年前のトヨタ、タイヤに対し多くを求めていなかったからだ。

アクセラHVの燃費がプリウスを超えているのも16インチの新タイヤのおかげである。今まで技術的な停滞をして いたブリヂストンが急に積極的となり、良いタイヤを作ってきた。プリウスにアクセラHVのタイヤを履かせれば、おそらく燃費は逆転することだろう。日本のタイヤもミシュランやコンチネンタルに肉薄した。

前期型リーフの標準タイヤも16インチのブリヂストンながら、アクセラHVの同銘柄のタ イヤは転がり抵抗が全く違う。新しい世代のタイヤを履くトヨタ車は全て燃費を改善させてくることだろう。参考までに書いておくと、半年前の時点で世界一の低転がりタイヤを履いてるのはアメリカ仕様のアコードPHVだった。

日本仕様のアコードHVが履いているダンロップも良い勝負。フィット HVや普通のエンジンのフィットのタイヤは転がり抵抗とウエットグリップで高いバランスを持つ。現時点で世界で最も高いバランスを持つの、BMWのi3が履いている妙なサイズのブリヂストンかもしれません。今日は役に立たないウンチクでした。

2013年10月29日 (火)

ホンダS660

ホンダが軽自動車のスポーツカーを出すとということで盛り上がっている。試乗を楽しみにしている自分もいるけれど、冷静に 考えると「ビートやカプチーノと同じ道を辿るんじゃないだろうか」という自分もいる。何を隠そうビートもカプチーノも買っちゃいましたから。当時はそれだ け熱かったということです。

一方、売れ行きは伸び悩んだ。今でこそ中古車相場が高騰しているビートとカプチーノながら、低空飛行続き。 ビートなんか大きな弱点になっていたスロットルのギクシャク感を最後まで改良できなかった(マイナーチェンジで行う予定だったそうな)。コペンのみ長く生 産を続けたけれど、やはり採算という点で厳しかったらしい。

そんな軽自動車好きの私がS660を見ても、欲しいと思えない。それとも試乗 したら「これだ!」となっちゃうのだろうか? 若いユーザーが買うかとなれば、難しいと考えます。ビートもカプチーノもメインユーザーは若くなかった。そ もそも高すぎるんだと思う。S660だって総支払額で200万円を突破しちゃう。

今の若い人達にとっての「走りの楽しさ」は”絶対的な性 能”じゃなく、シトロエン2CVやVWビートルのような”味”だと考えます。遅くても楽しいクルマですね。そもそも今の日本の交通社会には絶対的な性能な ど不要。ということがどうして解らないんだろうな、と痛感します。「走る楽しさ」=「コーナリング」ではないのだ。

2013年10月28日 (月)

電気自動車普及へ

アメリカ政府が電気自動車の本格的なバックアップを開始した。大統領自ら「電気自動車の普及を目指す!」と公言。米国の『オートブログ グリーン』は連日のように電気自動車政策の情報を流しており、早くも8州で優遇措置やショッピングセンターなどの充電器(急速充電器を含む)の設置を大幅に進める。

先日カ州で行われた『日産360』の際、アメリカで生産されたリーフに試乗してみたが、往復100kmくらいの通勤で使う人に取っちゃ最高の移動手段となってくれますね、と実感した。ガソリン価格に一喜一憂することもなく、大量に採れるシェールガスを使った発電所を増やすため電気代の値上がりは当分考えられない。

前述の通り往復100kmの通勤なら渋滞に遭遇したって余裕! 帰りにショッピングモールに寄るような時も、1時間で6kWhの充電が可能な簡易式中速充電器が(リーフtoホームは1時間6kWh充電可能)豊富にあれば、1時間の買い物中に40km走れるだけの電力を貯められる。急速充電器じゃなくても OK。

しかも片道70kmの通勤距離だって会社で200V充電させてくれれば、帰るときまでに満充電状態になってます。さすがにヒーター使うと航続距離がイッキに短くなる前期型リーフの時は厳しかったものの、後期型リーフとなって圧倒的に使い勝手良くなった。ちなみにアメリカ工場の生産ラインはフル稼働中だ。

日本で電気自動車が売れ始めるのも遠い未来じゃない。急速充電器の大量設置も1つのステップになると考えます。最近高速道路の急速充電器で利用者が急増してるの、アウトランダーPHEVです。リーフと違い、遠くに行く機会が多いのだろう。高速道路はSAだけでなくPAにも複数設置するようになると思う。

2013年10月25日 (金)

日産も自動ブレーキ採用

12月に発売となる次期型エクストレイルは単眼カメラ1つによる自動ブレーキシステムを大半のグレードにオプション設定してくるという。単眼カメラでも相当正確に距離を計測出来るため、レーザーと同じような役割を持たせられるのだった。しかもカメラなら歩行者や車線も判別可能。コストだって安い。

カメラは悪天候に弱いと思っている人も多いようだけれど、レーザーセンサーと比べれば圧倒的に強い。大きな弱点はないと考えます。ただ稼働速度域がイマイチかも。最低車速は10km/hとのこと。つまり9km/hだと衝突してしまうワケ。ダメージはタイしたことないけど、当たらない方が良い。

また、自律自動ブレーキはヨーロッパ向けの装備なのだろう。アダプティブクルコンどうなる? 現時点で情報を出していないけれど、ミリ波レーダーを使うタイプか? だとしたら単眼カメラと協調制御してやることにより飛躍的に稼働速度域を大きくすることも可能。そのあたりは情報出てくるまで待ちたいと思う。

これで自律自動ブレーキの普及を行っていないのはトヨタだけになった。いつになったらトヨタも実用化出来るだろうか? 次期型ノア/ヴォクシーあたりから出してこないと「トヨタどうした?」と言われちゃいます。トヨタにとってハードルの高い技術なのだろうか。

2013年10月24日 (木)

試行錯誤

ナビはスマホのように液晶画面で操作する方が使いやすい、と思っていたし、そう書いてきた。しかし! スマホの権化のようなテスラに乗ってみたら、「う~ん!」。クルマ用の操作システムとして考えると少しばかり難しいかもしれません。高速道路などに入った途端、ほとんど操作できなくなってしまうからだ。

スマホは基本的に階層表示となっているため、情報あるトコロまで辿りつかなければならない。加えて視認しながら操作することになる。例えばエアコンの操作をするにも「ボタン」じゃなく「場所」をキッチリ視認する必要があります。その間、運転そのものの意識(ドライバーの能力と言い換えてもよい)は少し落ちる。

一発で操作できれば良いものの、少し複雑な変更を行おうとし、そいつが上手く行かないと、さらに運転から遠くなっていく。その間、自動運転や自律自動ブレーキなどでカバーしてくれれば状況は変わってくるけれど、基本的に「移動中の操作システム」としちゃ適当でないかもしれません。助手席用ならいいと思う。

となるとBMWが提案し、ベンツやレクサス、そしてマツダが採用しているナビの操作系(左手でマウスのような入力 ツールを使う)も悪くない。昨日、改めてマウス系の入力装置を採用した新型アクセラを試してみたが、確かに使い勝手は良いです。かといって面白さじゃスマ ホ系が好ましいし止まっているときは便利。

やがてレーンキープ機能付きのアダプティブクルコンをセットした時だけ入力可能になるタッチパネルとなって行くのだろうが、それまでスマホタイプの操作系は難しいかもしれません。ナビはトヨタが始めたスマホ対応型が面白そう。先日「まだまだアカンね」と書いた『G-BOOKナビ』も急速に情報力増え、使えるようになってきた。

2013年10月23日 (水)

自律自動ブレーキ普及へ

ホンダは11月20日に発売する『N-WGN』を先行発表した。といっても公表してないの、価格と燃費くらい(今回は価格 も漏れていない。まぁ時間の問題でしょうけど)。ホンダの公言通り30km/h以下の自律自動ブレーキを選べるようにしてきてます。今後ホンダは新型車の全車種に自律自動ブレーキを導入する。

今や軽自動車戦線は自律自動ブレーキ無しでライバルと戦えない状況。といった点からすれば、日産&三菱自動車チームの軽自動車だって、1日でも早いタイミングで自律自動を導入しなければならない。しかし現時点でいつになるのか不明。おそらくデイズもeKワゴンも11月あたりより苦戦すると思います。

トヨタと日産が自律自動ブレーキの普及で厳しい。両社、未だ普及モデルに自律自動ブ レーキ搭載モデルを入れていない。どこまで「無し」を続けるつもりだろうか? トヨタの安全技術の普及がここまで遅れるとは思ってもみなかったこと。10年もすれば「誰が悪かったのか?」について語る人が出てくることを期待す。

そうそう。マイナーチェンジと言えば、アクアがJC08燃費を36,6km/Lに伸ばし、フィットHVを凌ぐようだ。軽自動車のダイハツvsスズキのようにショッパイ展開であります。おそらく転がり抵抗の大きいタイヤを最新型に変更したんだと思う。しかもフィットHVの場合、36,4km/Lは売る気のないグレードのみ。

アクアは量販グレードで36,6km/Lになるようだから、燃費という点からすればフィットHVの負け。加えて割高だった価格を見直すというウワサもある。 ただ前述の通りトヨタって自律自動ブレーキで決定的に遅れてしまった。マイナーモデルも自律自動ブレーキが選べないとしたら厳しい展開になるだろう。

2013年10月22日 (火)

3月で高速割引終了?

今や高速道路に乗ると出口まで利用料金がいくらなのか解らず、高いと思うときと「あらら? こんな安いの?」と感じることがある。はたまた頻繁に東京湾アクアラインを通る。これらは全て高速道路の利用促進のために導入された割引制度のおかげだ。御存知の通り大半の利用促進割引は来年3月一杯で終了します。

東京湾アクアラインで言えば、1回800円が3千円に戻ってしまう。800円なら気軽に利用するけれど、往復6千円となれば厳しい。私もサンコーワークスに行くのはアクアラインじゃなく京葉道経由になることだろう。こう書くと「3千円に戻すと利用車が減って料金収入が減るんじゃないの?」と思うかもしれません。

アクアラインで言えばどのくらい減るか? 利用状況を見ると、割引の開始により利用車は2倍になった。意外なことにそれほど増えてお らず。割引終了で3千円になり、利用車が半分になったとしよう。それでも割引を終了した方が料金収入増えるということ。高速道路も状況は同じだと思う。確実に料金収入増える。

ただアクアラインについて言えば確実に観光客は減ると思う。現在の乗用車通行量3万5千台。1台あたり千葉県側で1 万円使ってくれるとしよう。1万8千台に減れば、約2億円の減収。730億円がアクアラインのおかげで千葉県側の増収になっているということ。100億円の税金使って730億円千葉に落ちます。

その730億円、アクアラインが無ければ神奈川や東京に落ちるかとなれば、そんなことありません。千葉に行ったから使う、ということですから。総合的に考えれば100億円使って割引を維持してもメリット大きいと考えます。ちなみに普通の高速道路についちゃ費用対効果の判定が難しい、というか不可能。

関係省庁の動きを見ると、どうやら取捨選択を検討しているようだ。残す割引もあれ ば、定価に戻ってしまう割引もあるだろう。割引率を減らす、という選択だってあるかもしれません。大きな声を上げるなら今だと思う。千葉県など、割引で潤っている地域の人は議員さんに直訴したらいい。

2013年10月20日 (日)

レーンキープ解禁?

面白すぎる! 10月17日に「一部のメディアはトヨタの自動運転が国交省と警察の逆鱗に触れた」と報じ、世論もネット報 道の流れも「そうだそうだ! 手放し運転なんかケシからん!」という方向に向かっていた。17日時点で「手放し運転のドコが悪い!」と開き直っていたメ ディアは存在しておらず。

しかし! 大手のメディアがこの記事を追い始めるや、面白いことになってきた。大手メディアは国交省や警察庁に取材ルートを持つ。直接問い合わせたところ「問題ない」という回答を得たという。以後、皆さんトヨタの肩を持ち始めた。いや、こう書くと役人が怒る。公式には最初からモンクなど言ってないのだ。

驚いたことに「手放し運転を禁止しているワケじゃない」という言質まで取った大手メディアすらある。実際、道交法を読むと、何の装置も持っていないクルマでの手放し運転は明らかに安全運転義務違反ながら、信頼性の高い自動操舵装置付きならアダプティ ブクルコンのブレーキと同じく解釈が出来ます。

つまり国はレーンキープを認めたようなもの。これでベンツが日本に導入した「10km/h までの速度域ならハンドル操作しなくてよい」は事実上OKになった。もっと言えば、自動停止ブレーキをボルボが認めさせたのと同じく、日本車も10km/h以下の連続レーンキープを認めてくる可能性大。

ここでウナるの、日経Webの「初心者でも首都高安心」という記事。クルマを運転しない記者さんということなので、初心者用の技術だと思ったらしい。現在のアダプティブクルコンにも言えるコトながら、PCやスマホの複雑な操作と同じく初心者は操作できない。完全自動運転の技術と混同しちゃってるんだろう。

太平洋の水をお茶碗でくみ出そうとしているようなものかもしれないが、少なくともクルマ通の皆さんのために的確な情報をお届けして行きたいと思います。

2013年10月18日 (金)

自転車の逆走禁止へ

やっと自転車の逆走が減るかもしれません。間もなく施行される(日時は未定。遅くとも12月13日までに、とされている) 改正道路交通法で逆送の禁止を明言しているからだ。もちろん現行法でも逆走は禁止されているのだけれど、ピンポイントで取り締まろうとすればヤヤこしい理屈が必要になります。

改正道交法によれば『軽車両は道路左側に設けられた路側帯のみ可能』と明記されている。警察だって新しい道交法をシカトするワケにゃいかんだろう。施行されたら早速取り締まりを開始すると思う。もちろん当初は周知期間ということで罰金になることもない。始末書を書かれされる程度で済む。

少なくとも幹線道路についちゃ逆走が減ると期待したい。ただ路側帯の無い道路についちゃ何の進展も無い。これまた現行法で取り締まれるモノの実効無し! 改正道交法では新たな禁止項目無いため、相変わらず逆送が続くかもしれません。街灯の無い道で無灯火の自転車に逆送されたらコワイです。

もう一つ。運転に支障を疾病を持つ人に対する扱いが厳しくなる。先日も判決を見て驚愕した。睡眠時無呼吸症候群による居眠りで発生した事故の裁判で無罪になったからだ。「病気による事故なので過失無し」という解釈。今までは免許の取得についても、てんかんの人しか対象にしていなかった。

改正道交法でどんな疾病を対象にするのかは公表されていないものの、少なくとも睡眠時無呼吸症候群や、低血糖で意識を失う人なども対象にすべきだ。心疾患や脳疾患は不可抗力。というか、誰だって起きるのが解るのなら対応するでしょう。少なくとも居眠り運転で事故を起こした人は、対象に入れたらいい。

現状は居眠りで5回も6回も事故を起こしていたって平気。人をケガさせても病気だから無罪だ。次なる段階は疾病を持っている人に対する運転条件の付加。目の悪い人が「眼鏡等」の使用を運転条件にするのと同じく、運転可能なのは自動ブレーキ装置付きのクルマに限定したらいい。

・てんかんの人の運転についての私の意見は検索エンジンで「国沢 てんかん」と入れて頂ければ出てきます。条件付きで運転容認です。

2013年10月17日 (木)

トヨタ手放し運転

ビジネスジャーナル』 というネットメディアは「トヨタがTVの取材の際、手放し運転したので警察庁と国交省は激怒している」と伝えている。その他のメディアもこの件を追いかけており、基本的に手放し運転はいかんだろ、という雰囲気。この件、私も「大丈夫なのか?」と思ったため、取材当日関係者に聞いてみた。

すると「特別な許可を受けています。ですから皆さんには運転して頂けないんです」。つまりデモンストレーションをしますよ、ということは関連部署に伝えてあったのである。そういった事情を全く知らない警察や国交省の関係者がコブシを振り上げてしまったんだと思う。彼らは振り上げたコブシを戻す術をしらぬ。

タチの悪い連中と基本的に同じです。だって考えて欲しい。自動でハンドルを操作する装置を開発し、そのデモを行うと言えば、当然の如く手を離した走行になるだろう。握ってたんじゃ自動で操作してるのか、人が動かしてるのか解らないですから。そもそも手放し運転は禁止されているのかとなれば、ビミョウです。

道交法の『安全運転の義務』を読むと「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と書かれている。何と! ハンドルだけじゃなくブレーキ操作もアカン!

なのに現実はアダプティブクルーズで自動的にブレーキ掛かってます。警察も国交省も怒らない。だったらハンドルだって同じでしょ。しかも「運転者が自らの手で直接操作しろ」とも書かれていない。逆に考えれば「ブレーキと同じく確実に操作できれば問題ない」と読める。このあたりは技術の進化を考えるべきだろう。

トヨタというメーカーは超慎重だ。というかトヨタに限らず自動車メーカーって慎重過ぎてイライラするほど。トヨタからすれば青天の霹靂かと。とりあえず下の写真のような運転をすればよかった? クダラン警察&国交省関係者もモンクを言わなかったと思う。ここまで書いて「アホらし!」と情けなくなりました。

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出来れば20cmくらいのツメがよい?

2013年10月16日 (水)

車々間通信?

ITS世界会議が始まった。どうやら自動運転と700MHz帯の電波使った車々間通信ばかりのようだ。加えて出展されている技術は、すでに発表されているモノか、実用化するとしても5年以上先になるような基礎研究ばかり。そらそうだ。一番気になる1~3年先くらいの市販予定技術についちゃ隠すでしょう。

しかも自動運転は国交省マターなので「イキナリ高速道路で始める」という技術的にも安全性でも高いハードルを設定されているため、すぐにどうこうってモンじゃなし。その間、欧州勢は10km/hの完全追随機能からスタートし、ノウハウを貯め込み、徐々に高い速度域に移っていくことだろう。

700MHz は総務省マター。「せっかく使えるようにしたのだからキッチリ天下り先を作ってくださいね」。なにしろ相手側に700MHzの送受信機が無いと全く機能し ない。加えて解放したのに皆さん全く使ってくれないという状況。自動車メーカーに「上手く使ってくれませんかね」という圧力を掛けてきている。

困ったことに国交省も総務省も井戸の中にしか興味の無いカエル。本来なら経産省あたりが日本の国益を考え、今後必要になってくる技術に付いちゃ海外と調整して磨いていかなければならない。でもナワバリを超えることは難しいのだった。ちなみに経産省は電気自動車分野で少し世界を見ています。

ただ興味深くて有用な将来技術も必ず発表されている。全部を見ないと解らないし、個別の分科会とかで発表され、どんな製品になるのか隠した上で紹介されるため、個人のジャーナリストじゃ追い切れない。おそらく全体像を掴めない。終わった後、専門分野毎に個別取材をするしかありません。

2013年10月15日 (火)

トヨタIIHSで厳しい

IIHSのスモールオーバーラップでトヨタが、またも厳しい評価を得てしまった。車種はデビューしたばかりの新型カロー ラ。総合評価で「マージナル」(必要最低限)になったものの、動画を見るとカンペキにAピラー付け根が座屈してしまっており、32cmもドライバー側に入り込んだという。こらもう非常に良くない。

・詳細評価。2014年カローラvs2013年シビック

実際、IIHSもキャビン構造については最低評価の「プア」としている。今回は何とかエアバッグとサイドカーテンエアバッグが頭部の激突を和らげているため マージナルで済んだ。運が悪ければ総合評価もプアになったと思う。参考までに書いておくと、トヨタがスモールオーバーラップ対応ボディで失敗したの、2車種目。

2014年カローラの動画

1つ目は新型RAV4。キチンと対応し、トヨタとしちゃ「アクセタブル」(何とか合格)を取れると思っていたようだ。しかしフロントタイヤが予想通りになら ず(SUVの場合、大きなフロントタイヤをどう処理するかがスモールオーバーラップの大きな課題)、プア評価になってしまった。開発部としちゃ2タコで す。

シビックは2012年にデビュー。当然ながらスモールオーバーラップに対応していないボディだった。しかしIIHSのテストが始まると発表されるや急いで開発に着手。ボディを大幅に改良し、2013年モデルで対応を完了し「グッド」評価を獲得している。対応する時間はトヨタの方が1年半くらい余裕あったと考える。

こうなると「なぜトヨタは安全性を確保出来ないのか?」と不思議に思う。いろいろ取材してみたところ、根っこは「決断が遅かった」ということになります。情報不足かと。情報部門がIIHSの真意を汲めなかったため、本社の開発部門や経営陣は危機感を持てず。今になって大慌てで人も技術もお金も投入し始めた。

来年に出るクルマから何とか対応出来るようになるかもしれません。幸い日本のメディアはスモールオーバーラップについてトヨタの批判をする気が無いようだ。 私みたいな評論家に指摘されていれば、スクープにもならぬ。この間に対応を急いだらいい。出来れば米国で売る車種は日本仕様も対応ボディにしてください。

2013年10月13日 (日)

自動発進機能

ベンツEクラスとSクラスのレーンキープはノロノロ走行なら10秒ルールにとらわれず、いつまでも走り続けられる。VWゴルフやボルボV40のアダプティブクルーズ使用中、完全停車しても短い時間ならアクセルやボタン操作をしないで自動的に走り出す。これらの機能、日本車だと国交省からダメ出しされる。

イメージとしちゃ180km/hの速度リミッターや、117km/h以上にセット出来るクルーズコントロールを同じだと思えばいい。ちなみに調べてみたら(というか某国産メーカーの広報の人に教えて貰った)、EUの指針によりレーンキープは10km/h以下。 自動スタートが3秒間ルールになっているそうな。

原理主義から考えれば日本車だって制限速度以上の速度が出ることはおかしい。だったら10km/h以下でのレーンキープくらいOKでしょ、と考える。もちろん3秒以内の自動発進も危険性あると思えない。最高速についちゃ日本の技術を伸ばすことに結びつかないが、レーンキープは将来重要な技術です。

だからこそTVの報道もトヨタの自動運転(内容はベンツと同じですけど)に驚いて取り上げる。トヨタの自動運転の基本技術はミリ波レーダーと単眼カメラを使ったシステムで、日産が2001年1月に発売したシーマのレーンキープ&アダプティブクルーズから、ほとんど進化していない。欧州に追いつかれました。

国交省ももう少し国益を考えてくれたら嬉しい。日本が世界と戦うのに必要な技術くらい認可してやれば--いや、輸入車と同じように見逃せばいいだけ。加えて 国交省が推奨している「高速域での自動運転」は危険だから慎重になるべきだ。とりあえず自動ブレーキと組み合わせ、30km/h以下から始めたらいい。

2013年10月11日 (金)

最新型燃料電池

トヨタの先進技術発表会に2015年の発売を予定しているという燃料電池自動車があった。燃料電池の完成度からすれば「素晴らしい!」と言うしか無い。試乗レポートはオートックワンで来週半ばにレポートします。私のWebは少しマニアックな内容を。燃料電池の燃料である水素について紹介しよう。

最も気になるの、水素を700気圧にするために必要なエネルギーだ。水素を販売することになる石油会社の人に聞いてみたら「正確な数字はちょっと」。機密らしい。といっても気体の圧縮って物理的なモノなので、大雑把な数字から計算できる。ただ石油会社なら特殊なノウハウもあるんじゃないかと期待した次第。

「燃料電池車が100km走る水素の圧縮に10kWhくらいのエネルギー使うというウワサもありますけど‥‥」。10kWhあれば電気自動車が90km走れる。聞き出した数字は予想通り2kWhくらいらしい。つまり燃料電池車を400km走らせる水素の圧縮に8kWh(電気自動車なら70km走行可能)使うということ。

石油会社は石油の精製時に大量の水素が出来てしまう。こいつを精製して使えば (石油精製時に出来る水素は不純物も混じっている)、水素を作るときに必要な電力は考えないでいい。したがって8kWh使って4kg分の水素を圧縮しても 何とかペイ出来そうな気もする。石油精製時に出る水素、タダですから。

もちろん水素作るのに電気分解を使っていたら効率でお話にならない。だったら電気分解に使う電気をそのまま使って電気自動車を走らせるべきだ。熱を使って水素を取り出す方法も、熱を作るエネルギーで内燃機関を稼働させた方が効率良い。燃料電池車で使う水素は、廃棄または燃やしている分に限られる。

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また700気圧を貯めるタンクを見てウナる! 上の写真が実物。カーボンの積層になっており、超ブ厚い! こら高価だと思う。やはり燃料電池は据え置きと し、パイプで気体の水素を運んで使うのがベストだと考えます。据え置き型の燃料電池で作った電力で電気自動車を走らせるのもいいと思う。

石油精製や鉄鋼など水素を発生する工場の近隣にパイプラインで都市ガスと同じく気体の水素を送る。マンションなどに燃料電池を置き、そこで家庭用や電気自動車用の電力を作るという方法です。トヨタの燃料電池は定格で80kW程度。20戸入ったマンションの電力を作れてしまう。

夜間は20戸で 10kW程度の使用量に落ちてしまうため、20台分の電気自動車の充電が可能。燃料電池システムの価格を400万円としても10年使えば40万円。20戸で分担すると年間2万円+水素代高くて10万円。普通の家なら電気料金+ガソリン代で年間30万円程度の負担になっているかと。

家計の負担は安くなるし二酸化炭素排出量だって大幅に減らせられる。燃料電池の使い方としちゃベストだと思う。されど自動車メーカーの燃料電池開発担当者の皆さんは「乗用車用に開発した燃料電池だから乗用車用以外に使いたくない!」という原理主義者ばかりだった。現在のトヨタは少し違う?

ちなみに本日メディアで盛んに報じられている『トヨタも自動運転』の技術は、すでに販売しているベンツEクラスのアダプティブクルーズに届いていない。一般メディアの記者さん達って素直だ。

2013年10月10日 (木)

アクセラ、スケベ根性

新型アクセラが発表された。いろんな意味で興味深い! 例えば売れ筋になると思われるディーゼル。今まで150馬力の低出力仕様になると書いてきたけれど、フタを開けてみたらアテンザと同じ175馬力。しかもビックリするくらい高い! 298万2千円ですから。ディーゼル人気に乗ってスケベ根性でちゃった?

ただ超フル装備である。ナビはもちろん、自動ブレーキもショートレンジ&ロングレンジ対応で、リアもキチンと見張ってくれるタイプ。ホイールは18インチでBOSEのスピーカーまで付く(アテンザと違ってBOSEらしい音が出るらしい)。これだけ装備付いて300万円を切ってれば「納得しちゃおうかな」でございます。

一方、期待してなかったハイブリッドが案外お買い得プライスだったりして。249万9千円の『ハイブリッド-S』は、ナビやクルコン、HID、16インチタイヤを標準装備している。同じ装備内容のプリウスよりお買い得なんだから素晴らしい。デザインや乗り味を考えたらプリウスを買ってる場合ぢゃない?

30,8km/Lというプリウスの30,4km/Lを抜くJC08燃費を実現していることにも驚いた。トヨタのア トキンソンサイクルより、スカイアクティブGの方が熱効率高いということです。残念ながら自動ブレーキはハイブリッド仕様のみ付かない。こいつが付けられれば迷うこと無くプリウスじゃなくアクセラでしたね。

ハイブリッドとディーゼルは食い合いになるかと思いきや、ディーゼルを高級&マニアック。ハイブリッドをECOでエコノミーに振ってきた。マツダの商品企画アッパレでしょう! クルマ好きはディーゼル買い、それ以外の人ならハイブリッ ドに魅力を感じると思う。けっこう売れるかもしれません。私も誉めちゃいそう。

2013年10月 9日 (水)

三菱、PHEV路線へ!

オートックワンで三菱自動車の益子社長にインタビューした時から何となく予想出来ていたのだけれど、東京モーターショーに PHEV2台とSUV1台を出展する。どうやら「ピュア電気自動車で無くPHEV」に行く模様。この展開、悪くないと思います。というか、何度も何度も三菱自動車のEV担当と論争した。

私は「電気自動車に発電機を載せるべき」と主張し続け、三菱自動車のEV担当は「二酸化炭素を出すのでゼ ロエミッションにならないから絶対イヤだ!」と言い続けていたのである。火力発電所で電気を作っているでしょ、と言い返しても「イヤなものはイヤ!」の一点張り。文字通り取り付く島も無し!

効率も合理性もへったくれも無し! トヨタが電気自動車やディーゼルをやらないのも、日本のメーカー が安全技術をすすめないのも、みんな根っこは原理主義。益子さんは合理主義だった。できればミラージュクラスのPHEV(電気自動車に発電機を搭載する BMWi3のようなタイプ)が欲しいところ。

ミラージュのシャシを使い、世界的に流行の兆しが見えているBセグメントのSUVなど作った ら面白いと思う。今のままだとミラージュはフェイドアウトしてしまう。i-MiEVのユニットを改良して前輪に搭載し、12kWhくらいの電池と 660ccの発電機を搭載したら案外面白いクルマになるんじゃなかろうか。

アウトランダーやRVRベースのPHEVも良いけれど、世界の 流れは大きいボディのDセグじゃなくBセグかCセグ。また、搭載する発電機用のエンジンも小さい方が効率良い。リーフだって24kWhの電池を20kWh に減らして600ccくらいの発電機を積んだら、コストも重量も24kWh積んだリーフと同等だろう。


2013年10月 8日 (火)

事故防止

もしかしたら「自動車離れ」が最近の事故と関係しているのかもしれません、と思う。有名タレントさんの事故、高速道路を一般道路と同じように考えていたようだ。高速道路の危険性をほとんど理解していなかったのかもしれない。クルマは街中で走って居るときのスピードと高速道路では操縦特性を含め全く違う。

そもそも100km/h出ていれば止まらないし曲がらない。雨だと視認性だって悪い。クルマに詳しい人であれば、追い越し車線側に出るようなことをしなかっただろう。ちなみに他のクルマを巻き込まずに済んでいるけれど、後続車両が追突すれば他人が死亡するような事故になってしまう。人にも迷惑掛ける。

サンルーフから子供の頭を出して走行中に屋根と接触した事故だって、もう少しクルマに対する知識を持っていてくれたら、と思う。”クルマ離れ”している人達は、クルマに対する認識まで離れた感じ。クルマって包丁と似てる。便利ながら使い方を間違えば危険なのだ。こういった状況、以前から一部で危惧されてまし た。

例えばバイク。30~40歳の2輪免許所有率って低い。40歳以上の男性を見ると、半分以上の人がバイクの免許も持っている。当然の 如くバイクの特性を理解していて、自然にバイクを考えた運転になります。免許持ってないとバイクの特性をイメージ出来ないため、なかなか対応出来ない。

また、クルマに対する認識の低い人は、交通マナーも「自分勝手の安全」になってしまう。高速道路の追い越し車線を安全速度でノンビリ巡航してるの、一昔前までジイサンや女性と決まっていたが、今や若い世代に多い。後続車の強引な追い越しを誘発しても完全に無視。激しく空気読めなかったりして。

残念ながらクルマ感度の低い層を事故の前に啓蒙する方法は極めて少ない。事故の度にメディアがキッチリ報じ、教訓とするしか無いのかもしれません。だとしたら感情論に走らず、冷静な事故の分析が重要です。

2013年10月 7日 (月)

そろそろCOTY

今年も秋の風が吹き始め日本COTY選びの時期になった。今年は少し波乱か? そもそも10車種選びに難航しそうだ。順不同で上げれば「まぁ確実でしょう」がクラウン/フィット/アテンザ/ゴルフ/V40/Sクラスくらいのもの。何より日本勢元気無し! 日産スカイライン間に合わず。三菱、スバルも大物無し。

参考までに書いておくと、軽自動車は別の章典があります。前述の6車種を除けば、選考委員の皆さん思うことは違うだろう。まぁ有力候補としちゃIS、アコード、Aクラス、A3か? これまた全く余談を許さず。今年は10車種選びも記名制になるため、誰がどんなクルマに入れるのか興味深い。私は上位6車種以外、思案中。

本賞も読みにくい。今までの流れからすればフィット絶対優勢なれど、イマイチ華が無い。フィットを低く評価する選考委員も少なくないようだ。私も本賞の最有 力候補かと聞かれれば「そんなこともないですね!」と答えるだろう。ゴルフとV40の魅力度たるや極めて大きい。この3車種、どれに10点を入れたっておかしくない。

今年は会員の皆さんの意見を重視したいと思う。10ベストの候補選びの時期になったらノミネート車をリストアップするので、 皆さん選んでください。その結果で8車種を決めます。残る2モデルは私の希望を入れる。ただ私の意見と一緒であれば10車種全て投票通りになるかも。10ベスト選びは10月25日です。

何のかんの言っても世界第二の自動車生産国(もしかしたら中国に抜かれる?)にCOTYが無いのは寂し い。お祭りって絶対必要。じゃないとクルマを作っている人だって楽しくないでしょ。ということで今年の本命はフィットながら、ゴルフとV40も相当頑張ると予想しておく。私の10点も3車種になるでしょう。

2013年10月 6日 (日)

事故の教訓

タレントさんと同行の方の2人が高速道路でクルマにハネられて亡くなった。事故の状況を見ると、高速道路の右コーナーで中央分離帯に衝突したとのこと。雨だったというので何からの原因(この場合、右側輪のパンクかスピードの出し過ぎ、居眠り)でスピンモードに入りイン側に巻き込んだのだろう。

最近のクルマの安全性は高く、亡くなった2人を除くと2人が軽傷で済んでいる(5人乗車)。もし高速道路の右コーナーで中央分離帯側で停止したらどうすべきか? 当然の如く後続車からは見えにくく、美祢あたりの中国道を走ったことのある人なら御存知の通り、コーナーもキツい(80km/h制限)。

追い越し車線を走ってきた後続車からすれば、停止している車両を回避するのが精一杯。車道に出ていたと言われる2人を避けることは出来なかったと思う。しかもトラックと乗用車2台が関係しているというので、避けられなかったは1台だけじゃない。後続車のドライバーの過失を問うのは酷かと。

自分で同じような状況(パンクや故障なら誰にでも可能性あります)になったなら、とにかくクルマの中で冷静になろう。で、右側のドアを開け(ドアが開かなかったら窓から出る)、中央分離帯に逃げ込む。その後、三角表示板を持って少なくとも100mはクルマから離れた場所に置く。

100mなら120km/hで走っているクルマでも事故現場まで3秒間の対応時間を確保出来ます。もし三角表示板を持っていなかったらどうか。今日にでも買いに行って頂きたく。現場で無いことに気づいたならすぐ110番通報しよう。それまで中央分離帯の安全な場所で待つ。それが原則である。

どんな状況になったとしても、高速道路を歩くのは絶対なる禁じ手。高速道路を走っている人からすれば歩行者の存在など考えない。右コーナーだけでなく、夜間や悪天候などで見通し距離の少ない時は、特に注意したい。「とにかくガードレールの外に!」です。亡くなった方のご冥福をお祈りします。

2013年10月 4日 (金)

日本車のデザイン

日本車の弱点はデザインにある、と改めて思う。アコードHVって凄く良いクルマだ。もっと売れてもいい。しかし販売台数を 見ると、期待値に届いておらず。いろいろ聞いてみると「やっぱりデザインが‥‥」。100%理解出来る。アメリカ仕様のアコードHVと同じフロントデザインにすればよかったのに。

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前に出ると「ありゃま!」の人の如し

クラウン&マジェスタも同じ。ボディサイドのデザインは素晴らしい! なかでもホイールベースの長いマジェスタのサイドときたら、思わず「いいね!」したくなる。でも顔を見たら「う~ん!」。おお! と思って前に出たら「ありゃま!」のバックシャンならぬサイドシャンでございます。惜しい! ホントに惜しい!

どうして日本車のデザインってこうなんだろう。後進の韓国車にブチ抜かれてしまった。今や起亜自動車のデザイン、世界的に評価されている。デザイナーの人達ともたまに話をするのだけれど、皆さん素晴らしい感性を持ってます。考えてみたら自動車のデザイナーって日本のデザイン界だとTOP級。

マジェスタだってサイドとリアはモンク無い。ただデザイナーの皆さん共通して「顔が難しいです」。考えてみれば人間だって同じ。首から下についちゃ見分けられない。でも顔は難しい。バランス良いだけだと全く個性無し。存在感すら出ないです。CGで作った顔になってしまう(修正した写真も同じ傾向)。

人気のあるタレントや俳優、モデルさんを見ると、決してバランス良いだけじゃ無い。やっぱし個性だ。もう一つ。オトコの顔と女性の顔も、価値観が全く違う。オトコであれば多少バランス崩れていたって関係なし。クルマでいえば特殊なジャンルならオトコの顔のコンセプトで良いのかもしれません。

もう一つ。「お化粧」に相当する仕上げも試みるべきかと。個性的な顔にして、誰にでも入りやすい雰囲気を作る。ヘッドライト周りやグリルの細工などですね。こいつは案外効果的かと。いずれにしろ最終的にはデザイナーの感性なんだと考える。技術ばかり話題に上がるが、デザインも超重要な商品力です。


2013年10月 3日 (木)

アイサイト正念場か?

昨日TOPで書いた「ベンツはアイサイトの基幹特許を‥‥」の件、いろいろ取材してみたトコロ、どうやら大きくハズれていないようだ。もちろんアイサイトには未だ有効な多数の特許が使われているものの、基本的な概念を自由に使えるようになったんだと思う。ベンツ以外もステレオカメラは増えていくことだろう。

興味深いのスバルの考え方。ベンツはステレオカメラだけでシステムを構築しようとしていない。ミリ波 レーダーと組み合わせて使う。どちらも優劣あるからだ。今後もステレオカメラだけでシステムを作ろうとしているスバルによれば「だからベンツで使っている ステレオカメラの性能は高くない」という。その通りだろう。

この件、電気自動車の「ピュアEVかレンジエクステンダーか」に似てる。日本人は精神的なピュアさを追求するのに対し、欧米って合理主義だ。確かにスバルの「ステレオカメラだけでシステムを構築すればコストパフォーマンスが高い」は事実。ただ現状を見る限り素直に納得できない。というのもアイサイトは10万円。

一方、E250のオプション価格19万円。内容といえば前方の安全確保用としてロングレンジとミドルレンジ、ショートレンジを担当するミリ波レーダーが3つ! さらにステレオカメラでカバー。後方も車線変更 時の接触を防ぐため左右2つのミリ波レーダーを装備した上で、追突事故用後方ロングレンジレーダーまで付く。

アイサイトは前方だけで10万円。ベンツだと全周で19万円。私が乗っているV40も「ブリス」と呼ばれるボルボ発明の後方警報レーダー付きで、その恩恵を感じること多数。マツダも 同じシステムを装備できるけれど、超有用です。V40に乗っていると、ブリス無しのクルマじゃ不安になるほど。マツダ乗りも同じかと。

スバルも後方警戒レーダーを付ければ10万円じゃ済まなくなると思う。全ての技術に言えるコトながら、固定観念は持たない方がいい。ただ一点突破も面白い結果をもたらすことだってある。アイサイトが全てのスバル車に標準装備になれば素晴らしい! その上で後方警戒レーダーをオプションにすれば良いです。

もちろんアイサイトが現時点で日本勢最良&最高性能の安全デバイスであることは疑う余地無し。ただ猛追を受けている。アド バンテージは最長2年か。「攻め!」の姿勢が大切。スバルはアイサイトをどうやって伸ばしていくか、大きな岐路にさしかかったと思う。守ったらきっと追いつかれ ます。

2013年10月 2日 (水)

アイサイト特許切れ

あまり知られていないコトながら、アイサイトの基幹となる特許は1993年3月に米国で出願されている。つまり20年経ち、無効になってしまったワケです。アイサイトの画像解析技術は普通のステレオカメラと違う、ということは何度か書いてきた。普通の解析技術だと、アイサイトほど高度な情報を入手出来ないワケ。

昨日、Sクラスに使われているステレオカメラの「講義」(プレスイベントのレジュメにそう書いてありました)を聞いた。解析画面が少し出ていたのだけれど、どうやらアイサイト方式でございます。つまりベンツはアイサイトが出た時点からマークしており、特許期限切れのタイミングで大々的に製品を出してきたのだ。

これぞ競争だと思う。ベンツのステレオカメラを試すと、本家のアイサイトに勝るとも劣らぬ仕上がり。詳しくはオートックワンで紹介するけれど「段差を見てサスペンションの動きを変える」制御など、スバルがムカシからやろうとしている「雪道の滑り具合を予測してABSの制御を変える」のと同じ次元の技術だ。

トヨタもスバルの特許を使わないで、スバルが考案した解析技術使ったステレオカメラを開発しているという。レクサスのナニかに搭載されるらしい。2年もすれば多くの自動車メーカーがステレオカメラを採用してくるんじゃなかろうか。ミリ波レーダーと一緒に使えば、これほど素晴らしいセンサーはないと考えます。

そのスバルは本日次世代のアイサイトを発表する。CCDカメラをカラー化するようだ。となれば信号が読めるようになる。標識の判別も容易になるだろう。ベンツでOKになった「低速走行なら無制限にハンドル操作をしてくれる機能」も入るだろうか? 午後に発表なので情報入り次第追記します。

追記・やはりカメラのカラー化でした。機能アップは自動停止速度が50km/hになったことと、出遅れ感のあったレーンキープを短時間するようになったこと。機能面で期待値をやや下回りました。ポテンシャルとしちゃ高いのだろうが、最近の日本の常で「夢」を見せてくれていません。


2013年10月 1日 (火)

プリウス潮変わりか?

月販3千台を目論んでいたプリウスPHVが平均千台も売れないのは単純に「高いから」である。トヨタとしちゃどんなクルマでも最上級グレードが20%くらい売れるため、プリウスもPHVというバッジを付けてやればイケると判断したようだ。どっこい! プリウスを買う層は「一番高いのを持って来い!」という人じゃない。

そもそも電気代とガソリン代の差額じゃ補助金を使って43万円差は絶対ペイ出来ない。しかし! ついに「モハヤコレマデ!」と考えたのだろう。20万円の値下げを行った。多くのメディアが20万円の値下げを報じている。ただプリウスPHVって補助金が減額され、売れ筋の『S』だと25万円。補助金使って275万円だ。

普通のプリウスの『G』は232万円なので、相変わらず43万円高。20万円値下げしても関係なし。やっぱし売れないかと。トヨタも解っており、販売目標は月販800台程度。ということをなぜか大手メディアは伝え ないからまっこと面白い! 現行のプリウスPHV、もはや詰んでいる。良いクルマだと思いますけどね。

そうそう。普通のプリウスも厳しく なるかもしれません。間もなくマツダがプリウスと同じ駆動系(エンジンは2リッターのスカイアクティブ)を使ったアクセラHVを出す。おそらく乗り心地は 圧倒的にアクセラ優勢かと。何よりアクセラHVには自動ブレーキが付く可能性大(ハイブリッド以外には装着可能)。こら魅力的だ!

もしアクセラHVがプリウスと大差ない価格だったとしたら、クルマ好きはソチラを向く。私だってプリウスと、自動ブレーキまで付く新鋭&カッコ良いアクセラHV と比べたら後者を選ぶ。センシティブじゃない一般の人は値引き拡大するだろうプリウスを買うでしょうけど。無敵だったプリウスも状況は変わりつつある。潮変わりか?

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