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2013年9月

2013年9月30日 (月)

事故死者ゼロへ

今まで交通事故対策と言えば「速度の出し過ぎで車両のコントロールが出来なくなった」とか「雨などで滑った」「よく見えな かった」といった原因に対応し「ドライビングミスを無くす」という方向。しかし! 週末に起きた2つの事故を防止しようとすれば、今までと違うアプローチをしなければならない。

千葉の高速道路で発生した逆走事故は、高速道路の本線でUターン。対向車と衝突。江戸川区では一方通行を逆走し、 6人の歩行者をハネて電柱に衝突して止まった。ドライバーは65歳と76歳。相当厳しいのが千葉の事故です。高速道路の出入り口に逆走防止装置を付けても 本線上でUターンされたらお手上げ。

市街地でドリフトして飛び出した輩も、安全技術じゃカバー出来ません。そもそも横滑り防止装置は標準で装備されてますから。スウェーデンで『ヴィジョン・ゼロ』という交通事故での死者/重篤者をゼロにしようという政策を立て、現在進行形。先日行った時に聞いてみたら、上に挙げた3つの事故形態はカバー出来ないそうな。

とは言え交通事故を無くそうとしたら、上の3つの事故形態も避けて通れな い。逆走と意識を失った時の暴走についちゃ「自律自動ブレーキ」で何とか対応出来そうな気がします。Uターンの場合、前方にセンサーとカメラを付けておけ ば対向車が真正面から次々と接近してくることを感知可能。パワー絞れる。

一方通行逆走だってCCDカメラで判別し、パワー絞れるだろう。 この2つの事故形態、10年しないウチ有効な対応技術が構築されていると考えます。問題は三つ目。事故防止技術を全てカットされたら、いかんともしがたい。極刑あっても犯罪は無くなりません。今後「自己防衛」も重要な安全技術だと考えます。

もし小学校などに通っているお子さんがいるな ら、改めて通学路をチェックしてみたらどうだろう。中学校や高校は危険箇所に抜き打ちで教員を配置するなど、違うアプローチが必要。ウチの近所の高校なんかガードレールで守られた歩道あるのに車道を歩いている学生さんも少なくない。事故は起きてからじゃ遅い。

2013年9月28日 (土)

スモール100の実態

「電気自動車技術開発展」というイベントに行ったら、何台か電気自動車が置いてありました。下の写真のモデルは49万8千 円。最高速度35km/hだという。「どこでどう使ったらいいのか?」とか「追突されたら後席の人はどうなっちゃう?」といった問題に始まり、中国製らしく、品質的に厳しい感じ。

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例えば運転席の後ろの背もたれ(というかバー)の取り付け。雑なだけでなく、錆びると思う。シートベルト無くても法的に問題ないものの、このままだと急ハン ドル切ったら後席の乗員は落車してしまうだろう。どの部品を見てもウなるばかり。とある自動車メーカーの人も見ていたが相当驚いてました。

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超小型モビリティ用のシャシというのも展示されていたが、説明員によれば「アライメント変化が無い自信作です!」。横方向の入力を受けた時に、どのアームで支えるのだろう? 展示物だとモーターで横力を受け止めなくちゃならない。キッチリ耐久性テストなどしているのだったら問題ないですけど。

これがスモールハンドレット(電気自動車は誰にでも作れる)というヤツか! と妙に納得。敷地内や、100歩譲って地域のモビリティであればある程度通用するかもしれないが、決して安くないと思う。しかもメインテナンスに苦労することだろう。この路線とは絶対交わらないだろうな、と感じました。

「こういうところから技術は育つ」という意見の人も居るだろうけれど、スタート地点をそこまで後ろに取る必要は無い。舘内兄弟子の電気スーパー7くらいの技術レベルを持ってないと、竹槍で飛行機を落とそうとするようなモンです。日本の頭脳明晰な人達は、ムカシからそういった理解出来ないことをしたがる。

もちろん庭で走らせる趣味の乗り物なら素晴らしいです。

2013年9月27日 (金)

クラウドNAVI

私のWebサイトを読んでいる人の基本的な知識は私より高い、ということで「クラウド」についちゃいまさら説明するまでも無いだろう。さて。今までのカーナビは自己完結型だった。強いて言えばVICS情報を仕入れて表示する程度。日本全国の地図もカーナビに入っているから古くなってしまう。

自己完結型って日本人好みなのかもしれません。いや、正確に言えば日本の技術者が好むのか? ただ自己完結型だと情報量 増やそうとすれば、容量や処理能力も必要になってくる。当然ながら高価になり、複雑に。最近主流のHDDナビなんて容量を稼ぐために必至。それでも地図にゃ限度があります。

例えば縮尺。1メモリ100mの次は200m。そして400m、800mといった具合。1メモリを340mにするこ となど出来ない。イチイチ呼び出さなくちゃならないため、時間だって掛かってしまう。クラウドならどうか。ほとんど無限に地図を持っていられる。周囲の地図だけメモリーに入れればいいから呼び出しも早い。

渋滞情報や、周辺情報だって一括管理できるため、最も早いルート表示などお茶の子サイサイ。そんなナビがあったらHDDなんか不要でしょう。という状況の中、トヨタが新しいトライを始めている。『スマートG-BOOK』なるクラウド式のナビだ。スマホを端末にしたナビで、現在お試し期間中。

私も「ダマされたと思って1000円払ってみれ」と言われ加入した。結論から書くと「騙された」になります。現時点で渋滞情報など超乏しい。VICSの情報を入れていないためなのだけれど、使いモノになっていないです。ただポテンシャルは感じる。さすがクラウド。地図など縮尺を自由に切り替えられるのだっ た。

コイツを順調に育てられれば車載ナビなんか不要! それこそ7インチのタブレットを車載しておき、ブルーツゥースで繋げばよろしい。 スマホを携帯して車内に入れば自動的に立ち上がる。クラウドのナビになったら中国や韓国のメーカーじゃ参入出来ないと思う。日本勢はいっそトヨタに 乗ったらどうか?

2013年9月26日 (木)

日産の反攻はいつ?

今までエクストレイルは日本市場を強く意識していた。したがってデザインも日本人好み。その甲斐あって最近元気のない日産の国内販売じゃノート、セレナに次ぐ3番手! 大切なモデルになっている。しかし! 間もなく発売される次期型エクストレイル、日本のプライオリティが大きく下がってしまったから驚く。

例えばデザイン。どちらかといえば日本人ってシャキ~ンとしたシルエットを好む。だからこそデュアリスよ りエクストレイルが売れるし、RVRも全く話題にならなかった。ヨーロッパで流行っている「5ドアHBっぽいSUV」も、アメリカ風の「猫背のSUV」も好まれない。CX-5だってディーゼル無しだと厳しかったろう。

ということを日産も解っており、日本を中心とした地域で『エクストレイル』。欧州じゃ『キャシュカイ』。アメリカを『ローグ』という3つのモデルでカバーしていた。しかし最近の日産を見ると日本の立場が極めて弱いように思う。新型を開発するにあたり「日本は台数的に少ない。だったらアメリカにあわせよう!」となった。

結果、本来ならアメリカ専売車だった ローグを日本でエクストレイルとして販売することになったのである。下のリンクで書いた通り、日産全体のデザイナーを担当している人に聞いてみたら「日本向きのデザインは軽自動車とミニバンだけしかやっていないです」。いつから日産はこんな状況になってしまったのだろう?

次期型エクストレイルのレビュー

と思って日産の人に話を聞くと、どうやら皆さん不満を抱えている。というより私を含めた日本のクルマ好きの平均的な意見である「もっと日本市場にチカラを入れて欲しい!」に限りなく近い。次期型エクストレイルに売れ筋のクリーンディーゼルが存在しないことも、日産社員の皆さん「なぜだ!」と不思議がってい る。

結論から書けば「日本市場を担当している上層部がその気になっていない」。自律自動ブレーキだって日産は技術を持っているけれど、日本市場向けに開発しろ、という指示が出ていないから実現できない。軽自動車なんか自律自動ブレーキどころか、横滑り防止装置やサイドエアバッグすら選べないですから。

零戦は第2次世界大戦が始まった時点で高い性能を持っていた。しかし末期になると戦闘力を失う。それでも軍司令部は「根性で勝て!」。ノートは新型フィットと比べたら、燃費でも価格でも動力性能でも安全装備でも勝てる部分がない。なのに日産の国内販売部門は「根性で勝て!」とハッパをかけ続けるのみ。

セレナだってプリウスのコストパフォーマンス高いハイブリッドシステムを採用する次期型ノア/ヴォクシーが出たら、イッキに厳しくなるだろう。アメリカ向きデザインとボディサイズになり、ディーゼルの無いエクストレイルも厳しい。国内販売担当役員が「このあたりで反攻だ!」(倍返しは難しい)と考えるのはいつだろう?

2013年9月25日 (水)

ドリフトしてたと思う

昨日京都府八幡市で発生した集団登校の児童に飛び込んだ事故、とんでもないことながら、もしかしてドリフトしてたのかもしれません。交差点を左に曲がる箇所、写真で見る限り右側の見通しはよさそう。クルマいなければ「いっちょドリフトで曲がったろうか!」などと考えてしまうヤツだっていると思う。

そのままコントロール出来ずに一旦左に振れてしまい、オツリで車体後部をガードレールに当て、右車線に飛び出した ということです。50km/hくらいで歩道に乗り上げれば、10mくらいジャンプする。事故の状況を見れば、つじつまが合う。TVの報道を見て「なんで?」と感じたことは二つ。

一つ目はどこの局もタイヤ痕を追っていないこと。必ずタイヤ痕が残っていたと思う。もし左に曲がった時、右輪 も左輪もタイや痕あれば、確実にアクセル踏んでドリフトさせようとしている。というか間違いなく左に曲がった時のタイヤ痕は残っているハズ。接触したガー ドレールの場所にもタイヤ痕があるかと。

二つ目は飛び出した場所にガードレールがないことを皆さん指摘しない点。倒れているのは全く強度 のない丸パイプだ(新聞報道もガードレールと書いている)。1回目に接触した場所のようなガードレールさえあれば、もう少しキチンとクルマを抑えられてい たかもしれない。歩道はガードレールで守らなければならぬ。

思い出せば、福岡の橋の上で酒酔い運転のクルマに追突され運河に落下し子供が亡くなるという痛ましい事故も、全く強度のない単なるフェンスだったから突き破ってしまった。その時の教訓が全く生きていない。学校関係者の皆さん、ぜひともガードレールと”単なるフェンス”の違いをチェックして頂きたい。

今回の事故、おそらくメディアは事故を起こした18歳のドライバーの精神論に終始すると思う。もちろん原因の根源はドライバーにある。ただ社会構造を考えると、こういった犯罪者の出現に耐えられる環境を作れるなら作るべきだ思う。ガードレールの設置くらいなら、それほど難しいことじゃない。

事故が起きたらそこから教訓を得対応する。日本の場合、そういったことを全く行わない。ヒステリックに叫ぶのみ。交通事情の悪い日本で出来る数少ない対応策は、強固なガードレールで車両を路外に飛び出させないこと。せめて通学路くらい安全を確保しよう。ぜひ自動車から取った税金を使ってください。

2013年9月24日 (火)

死亡事故ゼロを目指して

23日の夕方、TBSの『朝ズバッ!』の人から連絡があり、三重県で発生した事故について聞きたいという。しかしその時点で事故は報道されていなかったため、詳細を聞く。おおよそ以下の通り。車道からファミレスの敷地に入ると、右側に建物。左側と奥に駐車スペースがあるというロケーションだという。

ドライバーは駐車場まで行かず、建物の前で停車し、55歳の祖母と6歳の女の子と4歳の男の子を降ろした。そし て駐車場に移動すべく走り出した途端、右前輪で転んでいた男の子の上を通過してしまったという。状況を聞くや、あまりに痛ましさに心が痛む。可愛い盛り だったろうに。

TV朝日のニュース

おそらく、男の子は左側のドアから降り、クルマの前を通ってファミレスに向かおうとしたのだろう。ドライバーのお母さんは祖母と女の子に気を取られている と、男の子が転んだことは見ていない。そして右前輪の前で転んでいたら、死角に入っているため全く見えまい。走り出せば‥‥。

こういった事故、原因を考え、報道することで多くの人に注意喚起でき、事故防止効果をもたらす。結果、貴重な命を救うことになる。いや、痛ましい事故を教訓にしなければ亡くなった魂は浮かばれないと思う。当たり前ながら車両の直前と言うのは全く見えません。周囲に子供が居れば最大限の注意を。

また、人などがいる可能性のある場所は、2mくらいクリープで動き出すクセを付けておくのもいい。クリープなら万一何かあっても大事に至らず済む。同時に技術でカバーする方法を模索すべきだ。今やナビは標準装備化の方向。アラウンドビューモニターのようなモノも安く装備できると思う。

将来ある子供の魂の御冥福をお祈りします。

2013年9月22日 (日)

ナビの旧世代化

今やスマホの使い勝手に慣れてしまい、ナビ操作するときも同じように扱ってしまう。考えてみたらナビって日本人が考えた 「OS」だ。世界に通用する使い勝手だと思えぬ。この手の「発明」をさせたら日本人は決定的にイケてません。そもそも次期型アクセラなんか未だにナビを” 遠隔操作”しなくちゃならない。

新型フィットはクルマ業界で初めてスマホ風の操作を導入してきた。やっぱり使いやすい。ただ画面の縮小や 拡大をスマホ風にやると、操作方法同じでも地図は滑らかに動かない。グーグルの地図なんか気持ちよ~く変わっていく。7インチ画面のネクサス7で地図を見 ると、扱いやすさにタメ息でます。

ムスコなんか「もうナビはいらない」と言う。車載キットを購入し普段使っているスマホをセットしている が、それで十分だという。老眼のジイさん達だって7インチの携帯端末を使うようになったら、今の使い勝手のナビなんか不要になるかもしれない。というくら い崖っぷちの日本ブランドのナビながら、危機感無し。

グーグルあたりと提携したナビなんか作る気がないのだろうか? それこそ世界スタン ダードに育てられる可能性大。おそらく中国や韓国のナビメーカーは、グーグルの地図を使うことを考えているだろう。そいつを日本に持ち込まれたら厳しい。 今のままだとガラパゴスになってしまう。いや、もはや進行中だ。

カクカク縮尺の変わるナビや、遠隔操作のナビを見ながら「アカンな!」とツブやく。石器時代のナビを使うのは40歳以上の人だけになるだろう。すぐにでも対策を始めない限り、5年後のナビは携帯電話のような状況になっていると予想しておく。


2013年9月21日 (土)

アタマ良くない?

6月に古屋国家公安委員長が発言した交通違反の取り締まり見直しについての第1回懇親会が行われた。漏れ伝え聞いた内容に よれば、速度違反取り締まりの有用性を警察からアピールされ、幹事の大学教授も取り締まりは事故を減らすというデータを出したという。何のことはない。お手盛り会議です。

古屋公安委員長は「だまし討ちのような取り締まりは見直したい」と言ったのであり「取り締まりをするな」なんて言ってない。実際、腹立たしかったり、警察の無能さを宣伝してるのは、危険性の無い場所での取り締まりである。そいつを何とかしよう、という有識者会議なのに、なぜ取り締まりの有効性確認から入るのか?

霞ヶ関ICから首都高に入った最高裁判所の裁判官 を乗せた公用車だって制限速度守った50km/hで走ってないですから。というか危なくって仕方ない。そういうことを言ってるのに懇親会では速度違反の取 り締まりの有効性を確認してる、っていうんだから腹を抱えて笑える。駐車違反の取り締まりもデタラメ。

「危険だったり交通の円滑な流れを阻害する車両から優先して駐車禁止の取り締まりをするべきだ」くらいから始めなくちゃ意味無い。お手盛りでやっている限り、前には進まないでしょ。というか「やりましたよ」というポーズでしかないです。古屋公安委員長も官僚に飲まれず、頑張って欲しいと思う。

警察と同じレベルから会議を始めなければならないのなら、有識者の意味など無し。考えてみれば有識者の選定は当局か、それに類する立場の人が行う。せめてJAFや自工会あたりに依頼し、意見を言いたい人を立て、皆で投票して選ぶくらいのことをしたらいい。それなら私だって立候補したい!

2013年9月19日 (木)

日本勢出遅れ

スバルを除く日本の自動車メーカーが居眠りを決め込んでいる間に、海外のメーカーはキッチリと安全装備の開発をすすめてきた。何と! BMWは3/5/7シリーズ全モデルに歩行者まで感知して自動停止するブレーキを標準装備してきたから驚く。ベンツも市販モデルに歩行者感知型を拡大採用中。

凄いのはシステム。ベンツの最新型は、長距離を担当するミリ派だけで「中距離」と「中距離」の2タイプを装備。さらに中距離用でも正確に探知できない距離になったら、レーザー(赤外線センサー)で短距離をキッチリ計る。もっと近くはソナー(超音波)まで使う。何と! 4つのセンサーで距離を測るのだった。

BMWのシステムは詳細不明。なにしろ開発している部門との距離が遠いため(トヨタやホンダですら開発部門と広報の情報交換が満足に出来ていない)、日本の代理店に取材しても全く解らない。ベンツも公表されているシステムだけで記事を書いているため、実際の性能についちゃ不明ですけど‥‥。

海外まで試乗に行っている同業者が詳しいシステムを紹介してくれれば嬉しいが、ベンツもBMWもよくワカラン状況です。ただ「歩行者でも止まる」と言っているから、どんなタイミングからなのか不明ながら効能あると思う。日本勢の遅れは大いに気になるところ。スバルだって後方は見てないし。

東京モーターショーで日本勢も自動ブレーキを大々的に打ち出してくだろうか? ここで気になるのが奥行き。ボルボの安全性を見ても解る通り欧州のメーカーは 「決まった問題」以外も研究している。方や我が国は規定問題しか取り組まない。欧州勢に負けない安全システムを構築出来るだろうか?

・追記 日本で販売しているレカロは日本製だそうです。詳細を確認していないため、推奨からハズさせて頂きました。


2013年9月18日 (水)

チャイルドシート選び

ムスメが子供を連れて帰国しているため、チャイルドシートなど見に行った(現時点では乳児用シートを使ってます)。すると どうよ! いろんな意味で厳しい。何と! 大半のチャイルドシート、硬い樹脂素材の上を極めて薄い布で覆っているのみ。クッション性ゼロ! 大人がこんな シートに座ったら5分もガマン出来まい!

そもそもプロテクション効果だって無し! 確かにチャイルドシートはシートの上にセットするもの だから、路面からの振動はダイレクトに伝わってこない。加えて前後方向の事故であれば、これまたシートのクッションやシートベルトの”たわみ”などで衝撃 を緩和できる。でも横方向から衝撃を受けたらどうだろうか?

日本のチャイルドシートの評価は前後方向の衝撃のみ。横からの試験を行ってい ない。じゃ横からブツかることなど無いのか? 4万2千件の事故を調査しているボルボによれば、横方向からの衝撃こそ大きな課題になっているという。下の 写真はナナメ前方から他のクルマと衝突した実車。凄いことになってます。

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強烈な横方向のGを受けている

ち なみにこの事故、助手席に人が乗っていたけれど、かすり傷で済んでいるという。同じような衝撃をチャイルドシートが受けたらどうか。樹脂に布を貼っただけ のチャイルドシートだと衝撃緩和能力ゼロ! 重くて柔らかい幼児の頭が樹脂と激突しちゃう。こらアカンでしょ! チャイルドシートはキッチリ選びたい。

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助手席ドアはこんなに変形

埼玉県三郷にある『赤ちゃん本舗』という子供用のお店に行ったら30以上のチャイルドシートが並んでいた。大半は樹脂+薄布。中には明らかに横方向がデコボコな樹脂形状の製品もあった。「これならいいですね!」と感じたの、シートベルトメーカーでもある『タカタ』の上級品のみ。他はとうてい使い気になれない。

タカタのシートベルト、私もリーフで使っており命を託している。ノウハウもたくさん持っているのだろう。タカタ以外ならやっぱしヨーロッパのシートがいい。『レーマー』(ドイツ)、『マキシコシ』(オランダ)あたりをプッシュしておく。ちなみにレーマーと似た名前の国産シートがあるので間違えないように。

自分の子供はもちろん、お孫さん、友人や知人へベビーシートやチャイルドシートやプレゼントをするなら、以上の4社の製品を選んで置けば間違いないです。

2013年9月17日 (火)

新世代に突入だ!

どこの自動車メーカーなのかは絶対書けないが、ハイブリッドの可能性について技術者と話をした。仮に水平対向4気筒エンジ ンだとする。半分の2気筒にして発電機をセットし、さらにクラッチ付けてモーターを置く。そこから前後にドライブシャフトを設け、前後の車軸を駆動したら 成立するかと問うてみた。答えは?

「朝から晩まで様々なシステムを考えています。その中にあります」。そらそうだワな。私が考えることく らい誰でも思いつく。ここからが問題だ。2気筒を発電器として使うことに対して問題あるか聞くと「無いです」。1500回転以上回しちゃえば気になる振動も出ないそうな。並列2気筒より圧倒的に良いらしい。

ターボ過給は出来るか、と続ける。「出来ます。面白いです」。800ccくらいの水平対向なら40馬力くらいの発電機を稼働させられ、1000ccにしてターボ過給すると80馬力くらいまで出せると思う。これらの技術を組み合わせると、 どんなクルマが作れるだろうか? 聡明なる読者諸兄なら説明するまでも無い。

1000ccターボであれば、アコードHV程度の容量のリチウム電池と大出力モーターを組み合わせることにより、ヘビーハイブリッドが出来る。BMWのi3のような電気自動車のレンジエクステンダーも、20kWh ほどの電池と800ccで稼働させる発電機で成立可能。同じフロアを使い、普通のエンジンだって積める。

すでに開発を行っているのか、と聞いてみたら「やっていてもやっていないくても言えません」。当然ですワな。ただ開発にゴーが掛かれば、技術的な問題やハードルは無いという。同じシステムで市販車を出しているホンダや三菱自動車について言えば「その気になった途端、どんなクルマにでも展開出来る」状態。

トヨタなんかプリウスの駆動系と20kWhの電池を組み合わせるだけでi3のようなクルマが安価に作れてしまう。ここまで読んで「なるほど!」と思ったことだろう。今や日本の自動車メーカーが抱えているのは技術的な問題じゃ無い。ニーズに応じて的確な技術を搭載したモデルを投入していく「戦略」だけです。

安価なクルマだって作れるハズ。ここからは個人的な希望なのだけれど、こうなったら東京モーターショーで海外のメーカーを黙らせるようなコンセプトカーを出しまくったらどうか? 重要なのは日本の自動車メーカーが最もニガ手とする商品企画とデザインです。そいつさえキチンとツボを抑えられたら鬼に金棒だ。

2013年9月14日 (土)

チャイルドシート

日本ではワケのワカラン輩達がよってたかってチャイルドシートの助手席装着を否定するけれど、4万2千件/7万人を対象に した事故調査を行っているボルボのPRセンターに展示されていた乳児用シート、助手席に後ろ向き装着されているのだった。聞けば「ここが安全ですから」。

もう少し正確に書くと、ボルボの場合、助手席も後席も安全性という点じゃ同じ。乳児をお母さんが常時監視出来るため、運転している人の注意力を反らさないという点で優位なのだという。至極正論。ごもっともだ。もちろん助手席装着するなら助手席のエアバッグのスイッチは切っておく。こら当然ですね。

日本の軽自動車のように車体後部とリアシートの距離が狭いクルマならどこにチャイルドシートを付けるかと聞いてみたら「他のメーカーのクルマは試験をしたことがないので解らないけれど、私なら迷わず助手席に乗せます」。そもそも日本車は後席に子供を乗せた追突評価をしていない。

参考までに高速道路で追突されることを想定した試験は89km/hで行われる。この時の衝撃ときたら動画で見ても恐ろしい! ボルボですらリアのラゲッジスペースは潰れてしまう。軽自動車で89km/hの追突試験を行ったらどうか? リアシートまでダメージを受けることは容易に想像出来ます。

そこに子供を座らせることについて日本の「子供は後席に座らせろ!」の人達はどう考えているのだろうか? きっとデータを持っていないから頭ごなしに否定してくると思う。というか、当Webの読者諸兄ですら私が「助手席は安全ですよ」書いても、洗脳から溶けないかもしれません。

まぁどこに乗せていても無事な時は無事だし、厳しい時は厳しい。確率の問題だ。ただ「子供と並んで座りたい」というなら、助手席にチャイルドシートを装着すればいい。ただし。助手席エアバッグをカット出来ない日本車は「助手席の乳児用シート後ろ向き装着」だけしないこと。危険です。

チャイルドシート/ジュニアシートであれば、助手席のシートスライドを一番後ろの位置にセットした状態での前向き装着すればOK。そうそう。妊婦さんもシートベルトが腰の位置になるようにして装着をすること。母子共に最小限のダメージで済む。

2013年9月13日 (金)

1,6リッター直噴ターボ

トヨタがF1を除くの大半のモータースポーツ用エンジンに使える1,6リッターの直噴ターボを発表した。欧州のディーラー の集合体で開発したと公表されており、WRCやWTCC用として使うんだと思う。早ければ来年のWTCCに出て来るかもしれません。今やWRCと WTCCって、市販車の販売促進策に有用。

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エンジン単体の出展は無し

ちなみにホンダもWTCCに参戦しているが、序盤の快進撃はいずこへ。どうやらホンダ御自慢のエンジンで苦戦しているらしい。シボレーのカスタマーエンジンより最高速で10km/h以上低いのだという。このあたり、鈴鹿サーキットで行われるWTCC日本までに対応してくることだろう。

トヨタのWRC参戦も遠くないかもしれない。なにしろトヨタのモータースポーツ史に於いてWRCは唯一大成功を収めたカテゴリーで、チャンピオンまで獲得してま す。巨額の資金を投じたF1は優勝できず。ル・マン24時間だって2位までしか取れていない。欧州の人にとっちゃトヨタ=WRCなのだった。

ル・ マンやニュルに出ていても全く話題とならない。WRC復活となればトヨタ車の存在感を大いにアピール出来るだろう、ということを日本サイドは認識出来ていないので欧州の販売拠点が1,6リッターの競技用エンジンの開発をリクエストしなくちゃならないのだった。欧州市場はやっぱりWRCです。

アメリカで発表したスバルWRX(コンセプトカー)の実車を初めて見た。写真だとあまり気にならないものの、実車だと猛烈に違和感ある。サイドシルが猛烈に厚いのだ。ドア下から路面までの距離、SUVかと思うくらいです。どうやら100mm近くボディを浮かしているんだと思う。

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女性の足の位置でサイドシルの厚さが解る

エンジンに下にタービンを配しているのだけれど、その取り回しの開発が遅れていたんだと思う。市販モデルは大幅に車高下がるだろうから、コンセプトカーと全 く別のシルエットになると考えます。ただデザイン的にはカッコ良いので、この雰囲気を活かして欲しい。1,6リッターは遅れている?

2013年9月12日 (木)

日本車厳しい

欧州市場で日本車が厳しい、という状況は4年前から始まっていた。最も解り易いの、売れ筋モデルであるCセグメントです。 このクラス、ゴルフ7やベンツAクラス、ボルボV40、フォーカスといった魅力的なモデルが続々登場している。いずれも高い完成度を持っており、日本市場ですら話題になっているほど。

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起亜自動車のCセグも力作

しかし! トヨタのCセグメントは、プリウスを除けば一世代前のシャシを使うオーリス。ホンダも先代フィット(もっと言えば初代)の流れとなるBセグメントのシャシである。日産、三菱自動車など該当無し。インプレッサだってアイサイトという武器なしじゃ戦えまい。ボルボV40と真正面から戦うにゃ厳しい。

唯一日本勢で存在感を示したのがアクセラだ。Cセグメントのライバルとガチで戦えるだけのスペックを持つ。ディーゼルエンジンが2,2リッターという点で (ライバルは1,6リッター級)オーバースペックながら、価格を頑張れば何とか対応出来ると思う。アクセラ除く日本車は「最初から勝つ気を感じませんね」。

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唯一アクセラが存在感を示す

もちろん日本勢だって努力している。プリウスだけじゃ厳しいということで現地生産のオーリスにハイブリッドをラインナップ。ホンダも流麗なシビックのステー ションワゴンを出してきた。とはいえ今やCセグメントと言えばDセグメント級のシャシ性能が必要。オーリスも欧州シビックも基本性能で負けてます。

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いつ見ても人が少ない

Bセグメントを見ると日産はノートを出してきた。ホンダも新型フィットを投入するかもしれない。Cセグメントより少し良い状況。トヨタが次期型ヴィッツにど のくらいの気合いを入れるか注目したい。そんなこんなでマツダを除く日本勢は欧州市場をどうするつもりなのだろうか? NSXですらお客を引き留めらません。

2013年9月10日 (火)

フランクフルトショー開幕

意外や意外! 今回のフランクフルトショーの主役はBMWの『i3』だった。誰に会っても「i3見た? 凄いね! BMW ホンキだね!」。毎回BMWのブースは会場の一番奥の建物。中に入るとおおよそ半分の広さをi3とi8のために使ってる! そしてi3が走るコースを作 り、音も立てずに走り回っているのだった。

BMWはi3が時代を変えると思っている。そしてi3を見たみんなも「新しい時代が来た」と感 じている。こう書くと「只の電気自動車でしょ?」と思うかもしれない。全く違います。電気自動車を作っている多くの人達は偽りの「ゼロエミッション」にこ だわっている。電気を何で作っているかは、見えない。いや考えない。

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カッコは超悪い

い わゆる御都合主義の原理主義です。BMWは合理主義だ。そもそも自動車って道具。道具に原理主義を持ち込んでどうする、と思う。ということをBMWは気づ かせてくれた。小型のエンジンを搭載することにより、電気自動車の将来を切り開こうとしてます。i3を見て「日本の自動車メーカーの固さ」を認識す。

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リアシートは狭い

今 まで何度も電気自動車の担当者に「発電機を搭載したらどうか?」と聞いてきただ、その度に「絶対イヤです!」と言われてきた。i3の登場でイヤでも発電機 を載せるようになることだろう。その気になれば、電池容量を少し減らして発電機を搭載することくらいお茶の子さいさいですから。

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新世代のスポーツカーということではNSXと同級生になるi8にも驚かされた。ミドシップされた1,5リッター3気筒ターボで後輪を駆動し、前輪はモーター駆動。ニュルで一等賞を取るような速さこそ無いものの、一般道を走るスポーツカーとしては必要にして十分以上のパフォーマンスを持つ。そしてECOだ。

BMW は絶対的な速さを追求することを「古い」と考えている。何よりエンジン技術をお家芸にしてきたBMWが、エンジンとモーターを組み合えせ、次世代の「走る 楽しさ」を追求しようとしているワケ。日産のエマージがi8に近いか? いずれにしろBMWが新しい時代をコジ開けてくれた。楽しい。

2013年9月 9日 (月)

新型フィットは?

メディア向けの試乗会は9月中旬過ぎになってしまうが、すでに街中のディーラーに行けば新型フィットにいくらでも試乗出来る。ということで昨日ハイブリッドのハンドルを握ってみた。意外だったのがスタイル。私は最初から嫌いじゃ無いけれど(ギョウカイではなぜか不評)、なかなか存在感あります。

特 にハイブリッドのエクステリアはヒカリモノが多く、コンパクトカーながら目立つ。乗り心地は新車だったためか若干粗っぽかったものの、「プロトタイプくら いに仕上がってくれればモンク無い。課題だったツインクラッチのスムースさも合格点。弱点である停止状態からのフル加速は試せませんでした。

残念ながら私も海外に出てしまうため、役に立つ市販モデルの評価をお届けできない。これから予約しようとしているなら、是非とも自分でハンドルを握り判断して頂きたいと思う。ちなみにトヨタは早くも新型フィットHV対応を開始している。アクアで競合すると、魅力的な条件を出してくるのだった。

加えてプリウスの値引きも25万円を突破! フィットHVの上級グレードだと、装備内容を考えたらプリウスと大差なし。クルーズコントロールすら選べないアクアと比べれば圧倒的に質感の高いフィットHVながら、プリウスと比べられてしまえば厳しい。トヨタの巻き返し、思ったよりパワフルかと。

1,3リッターの最廉価グレードについちゃ試乗出来ておらず。こちらもニーズは大きいと思う。というjか、長い目で見ればフィットの大きな売れ筋グレードになること間違いなし。なるべく早くハンドルを握ってみたい。おそらくライバル対決すれば、多くの項目で1位を獲得出来ることだろう。

2013年9月 8日 (日)

日産の現状と課題

日産360で様々な国で販売されているクルマに試乗し、直近の展望をレクチャーされて感じたことは以下の通り。まず最大の 課題として挙げるべきがパワーユニット戦略の遅れかと。もちろん、それぞれ必要な手を打っている。欧州でディーゼルを販売し、アメリカじゃハイブリッドの ラインナップを拡充してます。

されどいかんせん古い。ディーゼルの場合、走りこそ良いけれど、先進性が大きなブランドイメージとなるイニ フィニティですら排気ガス対応は『ユーロ5』(ベンツやBMWなどは軒並みユーロ6)。FR用とFF用の二つのワンモーターハイブリッドも、今や一世代古 くなった「燃費よりパワー」を追求しているタイプ。

デザインも大きな課題だと思う。日産360も認識しているのかプレゼンでもデザインに ついて時間を取っていた。課題は「車種によるバラ付き」。例えば商用車。ニューヨークタクシーに採用されたNV200と、NV350キャラバンを見ると、 多くの人がNV200を積極的に誉めず、NV350についちゃ「いいね!」するハズ。

リーフとノートのデザインも好対照だ。日本でスカイ ラインやフーガのデザインが不評なのはイニフィニティをそのまんま持ってきているためであり、日産部門のアルティマやパスファインダーなどについちゃ世界 規模で受け入れられると思う。日産の中で三つくらいの流れがあり、それぞれ大きく評価が割れるのだった。

とはいえ視点を変えれば「ニーズ を全てキャッチアップ出来ている」ということにもなる。レクサスは良いV6のディーゼルエンジンを欧州市場でラインナップ出来ておらず、しかもISなどハ イブリッドしか売らない。アメリカで販売しているV6とV8は、新しさこそ無いがトルクフルで快適! 燃費だって良好だ。

また、商用車の バラエティが多く(トヨタより圧倒的に多い。ホンダは勝負にならない)、様々なニーズに答えられている。現状で「日産の強さは何か?」と聞かれたら、瞬時 に「商用車部門ですね!」と答えます。おそらく自動車メーカーで最も強い競争力を持っているんじゃなかろうか。今後もチカラを入れていくそうな。

電 気自動車で先行しているのは大きなアドバンテージになっている。NV200の電気自動車版を皮切りに、商用車にもラインナップしていくという。あまり認識 されていないが、アメリカじゃリーフが「作るだけ売れる」状況になっている。発電機搭載型も開発中か? 日産にとって大きな武器に育つことだろう。

できれば日産360でホンダのジャーナリストミーティングのような「直近に出てくる技術」を見せて欲しかった。そしたらイメージもずいぶん変わってくるだろう。

2013年9月 5日 (木)

プリウスの寿命は7年?

久々に荒唐無稽な記事を見た。8月28日の時点で読者の方から質問を受けチェックしていたのだけれど、あまりの「う~ん!」に誰も信じるまい、と思い放置していた。するとここにきていろんな人が取り上げ、ハイブリッドの批判を繰り広げている。間違いはそのまんまにしておけないでしょう!

マツダよいしょ。ハイブリッド大否定の記事

例えば「トヨタ製ハイブリッド車の多くは3回目の車検(7年目)を受けず廃棄されている。車検費用にニッケル水素バッテリーの代金+交換工賃の支払いが重たいからだと想像できる」(文章そのまま)。つまり2代目プリウスって、7年以内で廃車になる、と”推測”し書いているのだった。

参考までに書いておくと、私が2003年9月に買った2代目のプリウスは、すでに10年経過。5年目にバッテリーの使い方としちゃ厳しい高温の沖縄へ引っ越 したものの、今だ絶好調! 走行用バッテリーどころか、制御用12Vバッテリーさえオリジナルのままだ。ちなみに中古車相場も強気。

なんたって2004年式の走行10万kmで最低50万円の売値が付く! 7年落ちの走行7万kmだと120万円は下回らない。超人気車なのだ。そんなに高く売れるクルマを廃棄するなど、少しクルマに詳しい人なら普通じゃ考えられぬ。だからこそ荒唐無稽で誰も信じないと思っていた次第。

この記事を書いた人はプリウスのバッテリー保証が5年/5万kmなので7年したらダメになる、と実情も調べないで書いたようだけれど、同じバッテリー、アメリカだと2005年から8年/16万kmの保証を付けている。10年/12万kmくらいのプリウスであれば、余裕のよっちゃん。

そもそもアメリカの排気ガス規制をクリアするには、それ以上の耐久性が必要。2003年にデビューした2代目の最初から、最低で10年/16万kmの耐久性を持たせてます。車検3回目を受けないで廃棄されているという情報、どこから得たのか知りたい。まぁそのあたりはトヨタの仕事ですね。

ということでトヨタのハイブリッドの走行電池、2代目プリウス以後の世代では12年/16万kmは全く問題ないと考えていい。15年持つかどうかは不明。ただ電池交換は15万円くらいで出来る。普通のガソリン車との燃費の差を考えると、3万km走ればモトが取れるのだった。

2013年9月 4日 (水)

ハイブリッド人気?

日本では絶大な人気を持つハイブリッド車ながら、依然として海外じゃ伸び悩んでいる。日本以外で最もハイブリッド車が売れているアメリカでも、中心はプリウス兄弟。カムリHV級になると、やはり伸び悩んでしまう。アメリカ人って基本的に大パワー車を好む。むしろトルクフルな電気自動車に行く?

欧 州もハイブリッド車が増える兆し無し。欧州の走行速度域だとハイブリッド車よりディーゼル有利。今後もハイブリッド比率急増ということにゃならないだろ う。日本企業のカンパニーカー(多くの会社は社員にクルマを与える)ですらハイブリッドよりディーゼルが多いほど。新型ISも最高速度低過ぎ。

国策としてハイブリッドに傾注している中国はどうか? これまたお金持ちは燃費の良さより「派手に見えるクルマ」を好む。同じ価格でプリウスとエラそうなビュイックが買えるなら、迷わず後者を選ぶ、ということ。お金持ちに取っちゃガソリン代など高いと感じない。そもそも燃費はあまり気にせず。

東南アジアも国策としてハイブリッドを優遇しているマレーシアなどを除くと伸び悩み中。タイはハイブリッドよりCNG車の方が注目されている。インドネシアだってハイブリッドより普通のエンジン車を好む。なんたってクルマの寿命は40万km超。さすがのプリウスだって電池交換が必要になります。

新興国に聞くと、多くの国が中国と似た傾向。考えてみたら30年前の日本だってガソリン高かったけれど燃費なんか気にしてなかった。私なんか33年前のリッター160円の時にリッター3kmしか走らない初代サバンナRX-7に乗ってましたから。ハイブリッドの特殊性は知っておいた方がいいと思います。

2013年9月 3日 (火)

トヨタ対ホンダ

トヨタは本格的なハイブリッド攻勢を始める。ただ開発にあたって「徹底的にコスト削減せよ!」というオーダーが出ていると いう。確かにカローラHVの中身を見ると基本的にアクア。SAIも少しばかり古くなった2,4リッターエンジンを見直すことにより(カムリ用の2,5リッターはフロアの関係で搭載出来ない)燃費を向上させた。

コストダウン努力は悪いコトじゃない。逆にそれこそトヨタの強さでもある。トヨタのコストダウンが批判されるのは、安全装備など本来なら「コストダウンしちゃアカンでしょう!」ということまで手を抜くからだ。とは言え出遅れた技術も 「モハヤコレマデ!」というタイミングで全モデルに展開してくるから決定的な弱点にならぬ。

アクアに届く燃費性能を持つフィットHVながら、コスト的には相当厳しいと思う。当面値引きもないだろう。一方、アクアの生産コストときたら驚くほど低いそうな。そいつを現時点じゃ10万円以下の値 引きで売っている。もはや濡れ手に粟の状態。フォットHVと競合したら、必ずや魅力的な条件を提示してくるに違いない。

いずれにしろ国内販売に於いてホンダがトヨタの尻尾を踏んだことは100%確実である。ただトヨタも現在はお金儲けのフェイズにあり、ホンダを正面から叩くだけの”材料” を持っておらず。しかもお金儲けのフェイズだからして技術は伸びない。現時点の「武器」は値引きくらいか? 自動ブレーキくらい欲しいところ。

ホンダのDNAは「負けず嫌い」である。矢継ぎ早に新しい技術を投入できれば、吠える虎の射程距離から離れられるかもしれません。このあたりのジャッジはユーザーに掛かっている。カローラHVとSAIの売れ行き、好調を維持出来るだろうか? 3か月くらいで落ち込んでくるようだと、トヨタも戦略変更しなくちゃならんです。

2013年9月 2日 (月)

来年は日産の年か?

日産はアメリカ西海岸で『NISSAN360』という大きなイベントを開いている。世界中のジャーナリストやアナリストな ど集め、新しい技術や世界で売られている日産車に試乗してもらう、というもの。ここにきて日産が技術プレゼンスにチカラを入れ始めた。先日志賀さんにインタビューした時も「頑張ってます!」。

もしかするとホンダに続き日産の大躍進が始まるかもしれません。下の写真はレクサスCT200hや ボルボV40、ベンツAクラスに相当するCセグメントの新型車であるインフィニティQ30。少しばかりマツダとキャラがカブッてしまっているけれど(グリルも全体のシルエットも似てる)、なかなかカッコ良いと思う。

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こんな感じの電気自動車もぜひ!

ただ直近の日本市場を見ると、けっこう辛い。現在売れているノートは新型フィットとガチンコ勝負になり、販売台数を維持するの、難しいだろう。もう1台の売れ筋モデルであるセレナだってハイブリッドをラインナップする新型ノア/ヴォクシーに喰われると考えます。エクストレイルはディーゼルが無いようだし。

NMKV の次のモデルも自動ブレーキが間に合わないというウワサ。直近の売れ筋を見るとダイハツもスズキも、自動ブレーキの装着率は驚くほど高い(ダイハツなど5万台に達した!)。今や国内で販売台数を伸ばすなら、ハイブリッド車と自動ブレーキ、ディーゼルという三種の神器無しじゃ厳しいと考えます。

海外市場からテコ入れしていく、ということなのかもしれません。それとも三種の神器も仕込みが完了しているのだろうか。海外での生産計画を増強するなど積極策に出ている日産なので、日本戦略もバッチリ進んでいると思う。次期型エクストレイルのデザインも楽しみだ。

リーフの乗り方は「前期型中古車は超お買い得!」

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