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2012年12月21日 (金)

スモールオフセット衝突

久々に「こらアカンぞ!」と心底感じた。今や日本車の安全性は横並びで素晴らしい! というのが国交省の天下り団体「自動車アセス」の結論である。したがって日本人は「どのクルマを選んでも同じ」だと思い込まされています。けれど以前から何度も「オフセット衝突の割合を変えてテストすべきだ!」と書いてきた。

アメリカのIIHS(道路安全保険協会)が今年から『スモールオーバーラップ』と呼ばれる25%のオフセット衝突を始めたのだけれど、結果を見て愕然としました。8年くらい前のこと。イエテボリのボルボの開発センターで「オフセット衝突で当たる場所を小さくしていくと、非常に厳しい状態になります」と聞いてました。

1221t.jpg

エアバッグ完全に空振り。カーテン開かず(IIHSより)

興味深かったので突っ込んで聞いてみたら、世界中のどこの国もテストしていないので皆さんは解らないと思うが、死亡事故や重傷になるケースが非常に多いのだという。ということで下にIIHSの衝突評価のリンクを貼っておきます。週末にでもジックリ見て頂きたい。驚いたの何の! もう全くレベルが違う。

一番右がスモールオーバーラップの評価と写真

例えば『G』(グッド)評価のアキュラTLの足元写真を見ると、もしかしたら左足首あたりが折れているかな、という感じ。ただそれ以上のダメージはなさそう。車体骨格もキッチリとしてます。同じく『G』評価となったボルボS60も、頭が少し左に逃げておりケガするかもしれないが、決定的なダメージを回避出来てる。

G評価の試験動画(ユーチューブ)

『P』(プア)評価の試験写真を見ると怖くなる。ステアリングのエアバッグは車体がぐっちゃり変形しているため上方を向いてしまっており、サイドエアバッグも機能していない。乗員の頭は全く保護されない状態。欧州車も生存空間そのものが潰れてしまっており、これまた確実に重傷だと考えます。

P評価の試験動画(ユーチューブ)

という結果を見ると、日本の自動車アセスが単なるムダ使いの温床になっているだけだということが解る。レベルが揃ってきたら、新しい衝突試験モードを加えてこそ技術の進化です。今後IIHSは他の車種も試験をしていくという。おそらく本当の実力が解ってくるんじゃなかろうか。レクサスGS名誉挽回なるか?

・ECOカーアジアは「ムーヴ、キッチリ進化

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コメント

 自分も先ほど英文の動画を見てきました。
確かに。壁に向かって直角(まっすぐ)にぶつかるならいい結果の出る車でも、車体の外側寄りだけでぶつかった場合、フロントフェンダーだけが”クチャッ”と潰れ、続いてAピラーがモロに潰れたら非常に危ないですね。
 エンジン両サイドのサイドメンバーだけに頼った構造だと当たり所が悪い場合に、このような悪い結果になると思います。
 フードリッジ(フェンダーの内部の構造部)でAピラーが直撃しないような構造にする必要があると思いました。
 バンパーのリインホースメントも中央部だけでなく、外側まで伸ばしておくべきで、車体の四隅を絞りすぎるのも不利だと思いました。

投稿: こはだ | 2013年2月 1日 (金) 02時06分

こういうことを紹介して頂きありがとうございます。
2角3面3稜、家電製品の梱包輸送試験の要件ですが落下テストで中の製品にかかるGが規定値以下で、勿論一切壊れないことが求められます。
車は梱包材じゃないとはいえ、人間を運ぶ器ととらえれば、全方向、全角度、全オフセットで、中身を傷つけないことは必須かと。
ましてや運ぶのは生身の人間です。
プリクラッシュセイフティと併せて、もっともっと安全な道具になってほしいものです。
走る凶器なんて汚名を晴らすよう関係者の奮起を期待します

投稿: 爺のjimmy | 2013年1月12日 (土) 19時41分

なかなか難しいんでしょうね。各社頑張ってほしいです。 しかしムーヴも安全装備充実…普通乗用車こそこの難しい衝突安全性をクリアできれば軽自動車よりアドバンテージになり日本市場も変わる!…てならないも知れませんが構造的にエンジン、変速機が下に滑り落ちるスバルは優位性あるかもなぁ。でも日本メーカー各社技術でクリアいずれ出来るといいですね。

投稿: さね | 2012年12月22日 (土) 20時25分

フオセット衝突は自動ブレーキの分野でも鬼門なんですよね。スバルを始めみんな、ターゲットを正面に置いてデモしてますよね。50%フオセットでどうなるのか?スモールフオセットでどうなるのか?…そういう情報もユーザーには知らせる義務があると思います。ミリ波レーダーは物体の左右の位置は、ぼんやりとしか分らない欠点があります。ましてや左右端の位置なんて、戦闘機用のアレイレーダでも使わないと分からない。一方、スバルがステレオカメラを選んだ理由のひとつに、車両の左右端の位置が精確に分かるメリットがあります。これは20年数前の開発スタート時の主査の実吉氏(現東工大)の見識・判断によるもので、学会などでも述べています。自動ブレーキも、今の普及の段階から、より高度な機能へと目が向けられる時が来るでしょう。その時、スバルのアイサイトの優位性が一層、明らかになると思っています。

投稿: nogawa | 2012年12月22日 (土) 12時46分

youTUBEでいろんな車種出てますが、まともな車種2~3台位ですよね。アウディA4とかレクサスisでもほぼアウトみたいな…(ToT) この規準クリア出来るコンパクトカーいち早く出せたら、すばらしいですよね…

投稿: かず | 2012年12月22日 (土) 02時11分

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