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2010年6月14日 (月)

電気自動車は簡単?

自動車を知らない評論家や学者の皆さんに聞くと「電気自動車は他業種からでも参入出来る」と気軽に言う。確かにペナペナのオモチャみたいな電気自動車なら簡単。されど現在のガソリン車のような「商品」を求めようとすると、イッキにハードルが高くなってしまう、とVWの電気自動車に乗って改めて思った。

例えばブレーキシステム。走行距離を稼ぐには回生を効率的に行わなければならない。しかし回生ブレーキと油圧ブレーキのコンビネーションは非常に難しかったりする。テスラもアクセル戻したら回生する、という単純なロジック。しかも回生100%時に滑り易い路面でスリップしたら、相当厳しい状況になってしまう。

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ユビ指している青いタンクはブレーキ系です

ABSを付けたとしよう。回生ブレーキ時にロックすると、、これまた油圧への引き継ぎが難しい。といったことをVWの電気自動車開発担当者に聞いたら「今まで世界中のジャーナリスト達が来たけれど、そういった質問は初めて。相当チカラを入れて開発した部分だけに嬉しい」と、食事もソッチのけで教えてくれました。

やはりVWも試作車ながらトヨタや日産に匹敵する複雑な制御を仕込んでいた。回生ブレーキと油圧ブレーキ、そしてABSのコンビネーションをスムースかつ安全に行うのは、高い技術力が必要。じゃABSは諦めて、なんてことをすれば、姿勢制御装置を付けないだけで袋叩きに合う状況を考えると難しい。

二つ目はリアサス。バッテリーを納めようとすると、コンパクトなリアサスを作らなければならない。今回電気ゴルフで唯一「そうでしょうね!」と思ったのがリアのラゲッジスペースを見た時。3分の1くらいをバッテリーに浸食されてしまっているのだ。ゴルフのリアサス形式だと大量のバッテリーを収納出来ず。

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バッテリー容量はリーフに近い25kWh

もちろんVWも2013年にデビューさせる電気自動車はシャシまで開発してくるかと。ただ電気自動車用のリアサス、けっこう難しい。ストラットだとスペース的に厳しく、コンパクトなトレーリングアーム式は重いバッテリー載せた時の横剛性を確保出来ないだろう。Hビームもバッテリーとの相性悪い。

もっと言えば、ハンドリングを50年前に戻し、安全性も30年前に戻せれば、どんな業種でも電気自動車は作れる。ただ現代のカローラ級のレベルを求めようとすると、自動車メーカーにしか作れない。さて。トヨタは市販電気自動車の開発をスタートしたようだ。ホンダもスタートしただろうか?

・昨日TOPで紹介した”超”急速充電器、皆さんカン違いしているようだけれど「明日」の技術です。バッテリーとの相性だってある。すでにi-MiEVとPinステラは同じ急速充電器でも所用時間違う。文中に書いた通り、太陽光エネルギーを使った急速充電器の実現など期待したい。

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コメント

> テスラもアクセル戻したら回生する、という単純なロジック。
さっきテレビを見ていたら BMW の MINI-E (MINI の電気自動車)(実験用に販売?) というのをやってました。
それも、「アクセルを離すだけで、結構強いブレーキがかかる。ほとんどブレーキを踏まなくても運転できる。」とレポーターが言ってたので、同じみたいです。
( 三菱の i-MiEV は、回生ブレーキがないとモーターショーで聞きました。(販売開始前のモーターショーなので違うかもしれません。) )

「アクセルを離すだけでブレーキがかかる」というのも、「ブレーキ中も足をアクセルに置いたまま(浮かせたまま)になって、急ブレーキを踏むときに時間がかかる」とか「急ブレーキを踏むときにそのままアクセルを踏みこんでしまう」とか、いろいろ危険そうです。
他にも「ブレーキランプが点灯しないので追突されやすい」とか。
( あと、私は高速道路とかで足が疲れると数秒アクセルから足を離したりしますが、そういうこともできないので足が疲れそう。あと、他の車に乗ったときにブレーキを踏むことを忘れてしまうとか、免許を取った後 MINI-E しか乗ってなかった人とかが「このペダルって、スタートボタンを押すときやシフトレバーを動かすときに踏むペダルだと思ってた。」とか。)

テスラならともかく、BMW のような大きな車会社がこのような車を出すのはどうかと思います。
かつての BMW MINI の CVT もガタガタでしたし、BMW もトヨタと同じで、制御とかがダメで、あと品質が十分でない状態で販売を開始するように感じます。

> 回生ブレーキ時にロックすると、、これまた油圧への引き継ぎが難しい。といったことをVWの電気自動車開発担当者に聞いたら「今まで世界中のジャーナリスト達が来たけれど、そういった質問は初めて。相当チカラを入れて開発した部分だけに嬉しい」と、食事もソッチのけで教えてくれました。

回生ブレーキの車で、このようににするのは当たり前かと思っていました。

投稿: るー | 2010年6月16日 (水) 00時55分

中古のカローラを大量に調達して、中国で造ったモーターと鉄バッテリーに換装して改造したら、クルマの基本性能を備えた安価な電気自動車ができあがるなあ、と漠然と考えていました。
これなら十年前位の安全性能を担保できるでしょう。
もちろんEV専用車のような効率や性能は無理にしても、そこそこの性能ならば需要はあるんじゃないかしら。
こういうのにワクワクするのは、不謹慎かな?
実際EVクラブでは、改造車が作られているし、中古車をEV化で蘇らせる商売があっても良いなあ、と思います。

投稿: アミーゴ5号 | 2010年6月15日 (火) 00時05分

中古のカローラを大量に調達して、中国で造ったモーターと鉄バッテリーに換装して改造したら、クルマの基本性能を備えた安価な電気自動車ができあがるなあ、と漠然と考えていました。
これなら十年前位の安全性能を担保できるでしょう。
もちろんEV専用車のような効率や性能は無理にしても、そこそこの性能ならば需要はあるんじゃないかしら。
こういうのにワクワクするのは、不謹慎かな?
実際EVクラブでは、改造車が作られているし、中古車をEV化で蘇らせる商売があっても良いなあ、と思います。

投稿: アミーゴ5号 | 2010年6月15日 (火) 00時05分

確かに。トーシロな他業種の企業が自動車業界に参入してとの形なら色々と無理はあるでしょう

ただ、電気自動車はガソリン自動車とは全く違うものになる可能性だってあります。電機企業が既存の自動車メーカーと組んで電気自動車を造るといったコトは充分有り得ますなにせ電気自動車の場合、整備士が電工師の資格も持ってないと感電などの危険があって話にならないのだし必要とされるモノが全く違うので新たに一つの産業が出現するようなモノではないですかね?その点、産業の体制が硬直していない新興国ではコストの面もあるのでやり易いでしょう。逆に古い業界の慣習とかでガンジガラメになっている(と思われる)日本の自動車産業にとってはキツいでしょうし、行政や法制度の面で新しい時代に付いて行けていない現状がカナリ足を引っ張ると思います

近年急速に発展が進んだ中国で日本より早く電気自動車の普及が進んでいるというのもヤハリという気がしますこのままだと一部の技術が先行しているだけの日本はあっというまに追いていかれるという危機感が必要なんじゃないですか?自分達は決してベンチマークではなく、フォロワーだと思わないと!そこら辺、業界人でも勘違いしている人は多いんじゃないかと思うんですが

投稿: samine | 2010年6月14日 (月) 23時09分

電気自動車は簡単に作れるというコメントに対して私も『本当にそうか?』と思っていました。
自動車メーカーが広大なテストコースで様々な走行テストによる耐久性や衝突安全を確保しているのに、そういったものを持っていない状態で本当に安全な自動車が作れるのかと思っていました。
新聞でも簡単に作れるといったコメントを見かけます。安易な考えでの記事はやめてもらいたいと思います。

投稿: 阪神ファン | 2010年6月14日 (月) 21時56分

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