Q電丸
全日本ラリーでリーフが完走できたのは、『Q電丸』という世界最高の性能を持つ移動式急速充電車と出会えたからだ。このクルマの凄さは50kVAというチャデモの本格的な急速充電システムを搭載している点にある。あまり知られていないものの、50kVAという性能のハードルは高い。
大きさは2トントラック
JAFも移動式の急速充電車を開発したけれど、20kVAに留まっている。エンジン駆動の発電機だと頑張って30kVAくらいまでか? ただ30kVAだと急速充電に50分くらい掛かってしまい、ラリーのように時間が限られている競技だと使い物にならない。やはり急速充電というなら、50kVAでしょう。
なんでQ電丸は50kVAを可能にしたのか? 意外なことにハイブリッドなのだった。ディーゼルエンジン駆動の発電機の他、12kWhの電池を搭載しているのである。こいつをフルに充電しておくと、ディーゼル発電機+搭載している電池の両方を使え、50kVAを出せるという寸法。ナイスアイデアです。
定評ある菊水電子の急速充電器を搭載
ただ電池容量12kWh。リーフの50kVAの急速充電を25分ほど行うと、ほぼ使い切ってしまう。そこで次の給電までに搭載している電池に充電しなければならない。開発を行っている三輪さんによれば「宇宙戦艦ヤマトの波動砲のようなものです。エネルギーを貯めておいてドンと出します」。
今回2日間で波動砲を11発も撃った! こんなに撃ったことなど無かったという。さすがのQ電丸も徐々に搭載している電池の温度が上がっていき、最後はギリギリだったとのこと。リーフの方も最後になって電池温度が上限の10セグメントになったため、ほぼ同じ性能と言うことになる?
波動砲用の電池を冷やす!
ラリー終了後、三輪さんから電話あり「今回のイベントでQ電丸の課題がいくつか見えてきました。改良をや性能アップも考えています。波動砲をもっと撃てるようにしたいです」。う~ん! 現時点でも世界最高だと思うのだけれど、技術者魂というヤツですね。こういう人達がいるから技術って進化していく。
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