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2013年7月の3件の記事

2013年7月30日 (火)

Q電丸

全日本ラリーでリーフが完走できたのは、『Q電丸』という世界最高の性能を持つ移動式急速充電車と出会えたからだ。このクルマの凄さは50kVAというチャデモの本格的な急速充電システムを搭載している点にある。あまり知られていないものの、50kVAという性能のハードルは高い。

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大きさは2トントラック

JAFも移動式の急速充電車を開発したけれど、20kVAに留まっている。エンジン駆動の発電機だと頑張って30kVAくらいまでか? ただ30kVAだと急速充電に50分くらい掛かってしまい、ラリーのように時間が限られている競技だと使い物にならない。やはり急速充電というなら、50kVAでしょう。

Q電丸のスペック

なんでQ電丸は50kVAを可能にしたのか? 意外なことにハイブリッドなのだった。ディーゼルエンジン駆動の発電機の他、12kWhの電池を搭載しているのである。こいつをフルに充電しておくと、ディーゼル発電機+搭載している電池の両方を使え、50kVAを出せるという寸法。ナイスアイデアです。

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定評ある菊水電子の急速充電器を搭載

ただ電池容量12kWh。リーフの50kVAの急速充電を25分ほど行うと、ほぼ使い切ってしまう。そこで次の給電までに搭載している電池に充電しなければならない。開発を行っている三輪さんによれば「宇宙戦艦ヤマトの波動砲のようなものです。エネルギーを貯めておいてドンと出します」。

三輪タイヤで開発

今回2日間で波動砲を11発も撃った! こんなに撃ったことなど無かったという。さすがのQ電丸も徐々に搭載している電池の温度が上がっていき、最後はギリギリだったとのこと。リーフの方も最後になって電池温度が上限の10セグメントになったため、ほぼ同じ性能と言うことになる?

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波動砲用の電池を冷やす!

ラリー終了後、三輪さんから電話あり「今回のイベントでQ電丸の課題がいくつか見えてきました。改良をや性能アップも考えています。波動砲をもっと撃てるようにしたいです」。う~ん! 現時点でも世界最高だと思うのだけれど、技術者魂というヤツですね。こういう人達がいるから技術って進化していく。

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2013年7月18日 (木)

リーフ絶好調に!

アメリカでリーフが売れ始めた! ここ数ヶ月、作れるだけ売れている状況(現状で月産2千台)。在庫は7日間分も無いと言うから凄い。なんで売れているのか? こらもう簡単。アメリカ人が「電気自動車はハイブリッド車より得だ!」と見抜いたからに他ならない。この流れ、もう止まるまい!

アメリカは日本より電力料金が安い。アメリカは年間平均走行距離3万kmで、日本の3倍。ガソリン相場は現在110円/Lくらいと日本より安いものの、長い距離を走るから非常に厳しい出費になってしまっている。電力料金と言えばガソリンのおおよそ4分の1(日本は3分の1)。大いに魅力的だ。

ちなみにアメリカも日本と同じくリーフの値下げをした。プリウスの2万4200ドルに対し、リーフ2万8800ドル。補助金を使えば(地域によって異なる)、最も高い場所でもプリウスより安くなる。このあたりの事情、日本と全く同じ。ただアメリカ人の方がランニングコストに対し冷静かつ客観的&敏感。

当面「作れるだけ売れる」ことだろう。年末になれば月販3千台レベルを超えてくる可能性すら出てきた。一方、日本は伸び悩んでしまっている。アメリカと同じくプリウスより実質的に安いのだけれど、前期型で「航続距離短い」とか「冬場の暖房が苦手」とイメージが定着しちゃったんだと思う。

とはいえ日本のユーザーだって慧眼だ。アメリカでリーフが売れ始めたというニュースに接すれば、おそらく「なんでだ?」となり、見直す動きになるとだろう。近々、改めて現行リーフの試乗レポートをお届けしたい。

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2013年7月 7日 (日)

回生ブレーキ性能向上

現行リーフに乗って一番の「大きく進化しましたね!」が回生ブレーキの制御である。前期型の回生ブレーキは、ブレーキペダルのタッチを気にしすぎたのだろう。普通のガソリン車と全く同じ感覚で踏めるものの、走行エネルギーの回生効率と言う点じゃ少しばかりユルかったように思う。

ブレーキの踏み始めからフル回生をしていないワケ。ここで違和感が出るからだ。初代プリウスなど違和感のカタマリだったほど。現行リーフに乗ってブレーキ踏むと、現行プリウスと同じ「ニオイ」がする。正確に言えばニオイじゃなくブレーキタッチなのだけれど、明らかに前期型や普通のガソリン車と違う。

ブレーキの踏み始めから回生を掛けているのだった。電力のマネージメント画面を見ても、回生の量や範囲が広い感じ。前期型だと強いブレーキや下り坂でのブレーキは回生の絶対量をググッと減らしているが、現行になって積極的に回生してます。大雑把に言って10%近く回生量増えた感じ。

現行リーフの航続距離は前期型より13%くらい伸びた。そのウチ、10%近くは回生効率の向上によるものだと考えます。参考までに書いておくと、回生エネルギーをフルに回収する運転は「ジンワリとブレーキをかけ始める」と「ブレーキは緩く長く掛ける」の2点。安全運転にも結びつく。

面白い情報を1つ。現行リーフが履いているタイヤは(特に16インチ)最新の技術を使ったタイヤからすれば転がり抵抗大きい。なんたって本来なら17インチのワイドタイヤより転がり抵抗じゃ有利なのだ。したがって16インチの方が航続距離長いハズ。なのにカタログデータだと両方同じ。

タイヤ交換のタイミングで新しい技術を使ったECOタイヤを履けば、雨天時の性能を落とすこと無く5%程度の航続距離延伸が可能。リーフの電池は1年で1,5%。1万キロあたり1%の容量低下をする。2年3万kmで約5%。そのタイミングでタイヤ交換してやると、航続距離は新車と同じになります。

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